導入および運用コストを10分の1にしたNASの導入事例

株式会社和光様

https://wacoo.co.jp/

取材日:2025年4月24日
業界：製造業

株式会社和光（大阪市東成区）は、1970年（昭和45年）に設立された、シール・ラベル印刷用の凸版製版を専門とする企業です。長年にわたり培った技術とノウハウを活かし、真鍮版や樹脂版、フレキソ版など多様な版材を取り扱い、顧客のニーズに応じた高品質な製版サービスを提供しています。また、データ編集から製版まで一貫して対応し、迅速な対応力と信頼性の高い提案力で、多くの顧客から支持を得ています。

以前のファイルサーバーと比較して、
導入コストも運用コストも
10分の1程度に下がりました。

取材協力

株式会社和光
代表取締役
井上佳英様

導入前の課題

1日250～300件のデータを1時間あたり20〜30件しかコピーできず、編集者10名が残業していた。
サーバーが重くデータが各PCに散在していたため、営業は問い合わせのたびに担当を探す必要があった。また、検索も月単位で20件しかできず遅かった。
バックアップは手動で20件ずつしかできず時間と工数がかかった。
導入・運用コストが高額だった。

導入後の効果

コピー速度が大幅向上しコピー作業による残業がゼロになった。
日付＋得意先検索や年度一覧表示が可能で、必要なデータを見つける時間が短縮された。
アプリで自動バックアップが可能になり、手動作業が不要になった。
導入・運用コストが従来の約1/10に低減した。

多大な労力がかかるデータのコピーやバックアップ

― QNAP製ネットワークストレージ（以下、QNAP製NAS）の導入の経緯・きっかけを教えてください。

弊社はシールやラベル印刷用の凸版印刷を専門としております。基本的にお客様から送られるデータは、そのまま印刷できるわけではなく、画像の修正や過去の色合わせ、印刷機に合わせたトンボや専用の設定を行う必要があります。そういうデータが日々蓄積されていきます。データの形式は、IllustratorやPDF、PSDファイルなどです。Photoshopのファイルに付随する情報はExcelなどで管理しています。

昔はそのデータをMO（光磁気ディスク）に保管していました。しかしMOは容量が少なく、取り扱う件数が増えると全く足りなくなり、外付けハードディスクに替えました。しかし、ハードディスクですと端末ごとにデータの出し入れをする必要があり、手間がかかりました。そのため、オンプレミスのファイルサーバーを利用するようになりました。

編集担当者が10名ほどいて、データをサーバーに保管するのですが、全員分で1日250～300件あり、1時間あたり20～30件程度しかコピーすることができませんでした。データをサーバーに入れるのに時間がかかるため、仕事が少ない時にまとめて入れることになり、各編集者の元にデータが残ることが多く、営業が問い合わせを受けた時にサーバーに入っていないこともありました。件数が増えてくると各オペレーターが残業して入力することが当たり前になっていました。その結果、以前のデータを参照するだけで時間と手間がかかるようになっていました。

ファイルサーバー内のデータのバックアップも自動では行えず、手動で行っていました。バックアップのジョブ命令を出すのも何年か経つうちに20件ずつしか表示されなくなり、1週間分のバックアップ命令をかけるのにページ数が多くなり、全選択ができないので20件ずつ選んで進める必要がありました。表示も遅く、待ち時間が非常に長くなっていました。サーバーのスペックが足りないためと思われますが、サーバー側の動きが遅くてバックアップに何時間もかかり、翌朝までに終わらないこともありました。メモリー増設もしましたが、問題は解消されませんでした。MacとWindowsの両方の端末で使っていますが、データ共有時にアクセス権の不具合で、必要なデータにアクセスできない問題もありました。サーバーメーカーからは、データベースの再構築には莫大な時間と費用がかかると言われました。

こうした問題を何とか解決できないかと考えていたところ、別の印刷会社さんに見学に行く機会がありました。その会社さんにはシステムエンジニアがいて、自社で業務アプリを作っていて、NASでデータを保管していました。ネットワークでつながっていて、別の建物の編集部隊がデータを引っ張って使っていました。とても便利な運用だったので、同じようなことを弊社でもしたいと思いました。

― 比較検討した製品を教えてください。

国内メーカーのNASやサーバーを検討していました。

修繕箇所の便座の裏側をIPEVO P2V ULTRAカメラを使って撮影する設樂様。 — 社屋の外観

データ消失に強く堅牢性が高いというのも決め手の一つ

― さまざまな製品がある中でなぜ「QNAP製NAS」の導入を決定されたのでしょうか？

私は、ITにそれほど詳しくありませんので、QNAP製のNASの取り扱いもあったユニットコムさんにやりたいことを全てお願いしました。WindowsとMacでアクセスできて、ネットワークにつながっていて、業務のデータを保管できることが条件でした。国内A社のNASは壊れやすいという記事があったのと、国内B社は、MacとWindowsが混在すると不具合が多いという話がありました。国内C社のデータサーバーは高額だったので、QNAP製のNASを提案していただきました。

QNAP製のNASはデータ消失に強く、堅牢性が高いという話を聞き、それも決め手の一つでした。30年、40年と同じラベルが続いている息の長い製品も多く、お客様の手元に印刷データがないという事もありますので、どんなに古いデータでもすぐに検索して取り出せるようにして保管しておく事は非常に重要です。最近でも2007年のデータを一部変更して使うことがありました。

― どのように使われていますか？

現在、QNAP製NASを3台利用しています。TS-130を共有専用として、TVS-h674とTS-473AはRAID 6で、過去のデータのバックアップやアーカイブ用として利用しています。また、関連設備のバックアップにも使用しています。利用者は営業や製造現場の20名ほどで常時接続しています。Macが多いですが、製版に使う機械はWindows PCが多いです。

得意先でデータの保管をしていないケースがかなりあり、そういった顧客のデータも弊社で保管しています。20年前のデータを参照するケースもあります。1件あたり数MB～数GBのデータを保管し、1台あたり7年分のデータを保管し、今後も増設していく予定です。バックアップの実効容量は、約12TBで、1週間に1回、業務終了後に差分バックアップを取るようにスケジューリングしています。初回は時間がかかりましたが、以降は2〜3時間で終わります。データの整合性のチェックを含めても2025年からの保管分はスムーズに終わっています。

― 優れていると思った点は何ですか？

アプリが多くて管理しやすい点を評価しています。特に「File Station（ファイルステーション）」^※というアプリがサクサク使えて便利です。PCにインストール不要で、Webブラウザーから直接NASのファイルにアクセスできます。コピー、移動、削除、名前変更、フォルダー作成など、エクスプローラー感覚で操作でき、ローカルPCからNASへ、またはNAS内でのファイル移動・アップロードもドラッグ&ドロップで直感的に操作できます。

QNAPの「File Station」アプリは、QNAP NAS上のファイルをWebブラウザー上で簡単に操作・管理できるファイルマネージャーです。

もともと使っていたサーバーでは、営業と現場でファイルのやり取りをする際、ユーザー全員が読み書きできるようにフォルダーのアクセス権を設定していましたが、データを移動したりするとMac端末のアクセス権のステータスが変わってしまい、データにアクセスできないという不具合が度々、起こっていました。その都度アクセス権を変更する必要があり、1日に何回もサーバー端末で対応していたので本当に大変でした。でもQNAP製NASではそういった不具合はなく、Windows PCとMacの混在する環境でも問題なく、データの出し入れがスムーズに行えています。

バックアップも簡単です。以前は手動でバックアップを行っていましたが、今は週末にHybrid Backup Sync（HBS 3）というQNAPの無料アプリを使って、差分バックアップを取るようにスケジュール設定しています。

― 実際の使い心地はいかかですか？

NASに関する知識のない我々でも非常に簡単で使いやすいです。ハードディスクの延長のように使える点や、ブラウザー上で完結する点が良いです。バックアップもスケジューリングでき、リソースモニターもグラフィカルで分かりやすいです。

トラブルが発生した際も以前のサーバーですとサーバー端末にリモートでアクセスできず、端末の設置場所に行って原因を調査する必要がありました。でもQNAPのNASですと、自分のPCから、NASの管理画面にアクセスできますので、非常に便利です。

最近、TVS-H674-i3-16Gがクラッシュしてしまったのですが、ユニットコムさんの対応が早く、多少問題はあったものの外付けHDDからQNAPのHybrid Backup Sync（HBS 3）を使用して、比較的容易に復旧することができました。

復旧を行うにあたって、テックウインドさんのZoomを通して行う「あんしんデータ移行サービス」を利用したのですが、スタッフの対応も丁寧で本当に安心でした。事前のヒアリングもしっかりしていて、当日のデータ移行作業も、臨機応変に丁寧に対応・サポートいただきました。作業自体は30分もかからずスムーズでした。分からないことも説明してもらいながら進められたので簡単でした。余談ですが、以前は高い保守金額を払っていましたが、不具合があって連絡しても、自分でやってくださいという事が多く、サポート対応には不満がありました。それと比べると圧倒的に丁寧でした。

導入・運用コストが10分の1に

― 導入してどんな効果がありましたか?

ラベル・シール用のデータの保管は、先ほど言ったように、1時間かけても20～30件のコピーしかできないこともあったのですが、QNAP製NASにしてからは、データコピーのスピードが格段に速くなり、当たり前になっていたコピー作業による残業もゼロになりました。

以前のサーバーに比べてデータコピーが速くなった結果、PCからNASへすぐにデータを入れられるため、編集者のPCにデータが残っていることもなくなりました。また、QNAP製NASなら、日付と得意先を選んで、すぐにデータを取り出せますし、今は年度毎に一覧で見られるようになったので、検索時間も大幅に短縮されました。

バックアップに関しても、QNAP製NASのアプリで管理やスケジューリングをしているので、自動でかつ確実にできるようになり、手動で何回も実施する必要がなくなりました。

以前、運用していたサーバーと比較して、導入コストも運用コストも圧倒的に下がりました。以前のサーバーコストと比べると今は10分の1程度です。

導入前の課題と導入後の効果まとめ
課題	効果
1日250～300件のデータを1時間あたり20〜30件しかコピーできず、編集者10名が残業していた。	コピー速度が大幅向上しコピー作業による残業がゼロになった。
サーバーが重くデータが各PCに散在していたため、営業は問い合わせのたびに担当を探す必要があった。また、検索も月単位で20件しかできず遅かった。	日付＋得意先検索や年度一覧表示が可能で、必要なデータを見つける時間が短縮された。
バックアップは手動で20件ずつしかできず時間と工数がかかった。	アプリで自動バックアップが可能になり、手動作業が不要になった。
導入・運用コストが高額だった。	導入・運用コストが従来の約1/10に低減した。

― 今後QNAP（またはテックウインド）に期待することはありますか？

規模が小さく、知識が少なくても、チャットやAIのようなものを使って、もっと気軽に相談できると良いです。電話やメールでのサポート窓口もあるようですが、ちょっとハードルが高いです。また、ネットワーク・オフィス環境の整備・相談など知識がなくても、まるっとお任せ^※できればありがたいです。

― 貴重なご意見をありがとうございます。

テックウインドでは、ネットワークやIT機器の導入や環境改善に関するご相談を、無料で承っております。
また、NASの導入が初めてで専門知識のない企業様でも安心して、QNAP製NASを導入・運用いただけるように、各種サービスを拡充しております。QNAPあんしんサービスとして「初期設定」や「データ移行」、「バックアップ設定」、「NASの見守り」といったサービスがあります。
QNAPあんしんサービスの詳細は下記サイトをご参照ください。
QNAPあんしんサービスのご紹介

随時NASの環境を追加していきたい

― どのように使っていきたいですか？

5年程度で随時NASの環境を追加して10～20年程度のデータを運用・管理できればと考えています。
また、便利なアプリがたくさんありそうなので、もう少し勉強して、今までできていなかったことができるようになると良いと思います。

― QNAPの設定方法や使い方をまとめているページ^※がございますのでぜひご活用ください。

QNAPの設定方法や使い方のマニュアルは下記ページをご参照ください。
QNAPの設定方法や使い方の一覧

ファイルサーバーを使っていた頃よりは、大幅に業務効率が改善できていますが、データ送信時に一時的に速度が遅くなることがあります。特に5,000件を超えるお客様のデータ検索では表示が遅くなります。弊社のネットワーク環境にも問題がありそうですが、キャッシュ用にSSDを増設したり、場合によっては、テックウインドさんブランドのオールSSD搭載NASであるAXELBOX（アクセルボックス）の導入なども視野に入れたりして、さらなる業務効率の向上に取り組んでいきたいと思います。

導入した製品とサービス

NAS（Network Attached Storage） / QNAP

TS-130 × 1

軽量かつ静音なTS-130は、ファイルストレージおよびメディアストリーミングを対象とした、スナップショット保護搭載でお手頃価格のエントリーNASです。

TS-130は生産終了しております。
後継機種を見る

NAS（Network Attached Storage） / QNAP

TVS-h674-i3-16G × 1台

データの整合性を確保し、ブロックレベルのインラインデータ重複排除・圧縮、ほぼ無制限のスナップショット、リアルタイムSnapSync、SSD最適化に対応します。

製品詳細を見る

NAS（Network Attached Storage） / QNAP

TS-473A-8G × 1台

AMD Ryzen™搭載の高性能NAS。2.5GbE・M.2 SSD・PCIe拡張対応で高速データ処理と柔軟なストレージ運用が可能です。

製品詳細を見る

サポートサービス / QNAP

QNAPあんしんデータ移行サービス

NASのデータ移行に関してハードルが高いと感じるお客様の移行作業を画面共有しながらサポートし、導入をスムーズに実現するサービスです。古いQNAP NASやWindowsサーバーから新しいQNAP NASへデータを安全に移行することができます。

サービス詳細を見る

協力企業様

株式会社ユニットコム阪神営業眞田大輔様

QNAP（キューナップ）製NASは、信頼性と高性能を兼ね備えたネットワーク対応ストレージ（NAS）製品です。個人ユーザーから中小企業、大規模なエンタープライズ環境まで幅広いニーズに対応しています。特に、直感的な操作が可能なQTSまたはQuTS heroといった独自OSを搭載し、ファイル管理やバックアップ、仮想化、クラウド連携など多彩な機能を提供している点が特長です。ITリソースの少ない企業でも導入しやすく、拡張性と柔軟性を求めるユーザーにお勧めです。

企業サイト：https://www.unitcom.co.jp/

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沢田ビル様はDASやオンラインストレージの速度と容量の問題を解決するため、QNAP NASを導入。転送速度が飛躍的に向上し、作業効率が大幅に改善されました。NASの柔軟な容量拡張やスマートフォンからのリモートアクセス機能も高く評価され、セキュリティ面でも安心して活用されています。

取材協力

多大な労力がかかるデータのコピーやバックアップ

データ消失に強く堅牢性が高いというのも決め手の一つ

導入・運用コストが10分の1に

随時NASの環境を追加していきたい

導入した製品とサービス

協力企業様

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