
QNAP株式会社は2026年7月8日、同社のNAS製品が、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運用するIoT製品セキュリティ適合性評価制度「JC-STAR」において、Level 1(★1)への適合が認められたと発表しました。
これまで、IoT製品のセキュリティ対策はベンダー側から調達者・利用者へアピールしづらく、調達者・利用者の側でも製品のセキュリティ対策が十分かどうかを客観的に判断することが難しいという課題がありました。今回のQNAP NASのJC-STAR Level 1適合により、企業や自治体、教育機関、医療機関などのお客様は、ネットワークストレージ製品を選定する際、セキュリティ水準を確認するための指標のひとつとして、QNAP NASをより安心してご検討いただけるようになります。
JC-STARとは?
JC-STAR(セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度)は、ETSI EN 303 645やNISTIR 8425といった国内外のセキュリティ規格とも調和させながら、IPAが独自に定める適合基準に基づき、インターネットに接続する幅広いIoT製品を対象に、製品が備えるセキュリティ機能を共通的な物差しで評価・可視化する日本の制度です。
2024年8月に経済産業省が公表した「IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針」に基づいて構築されており、政府機関や企業等におけるサプライチェーン・リスク管理の広がりを背景に、調達・選定時に製品のセキュリティ機能や対策状況を確認しやすくすることを目的としています。
適合が認められた製品には、二次元バーコード付きの適合ラベルが付与され、調達者・消費者は製品詳細や適合評価の内容、セキュリティに関する問合せ先などの情報を簡単に確認できるようになります。
4段階の適合レベル
JC-STARでは、求められるセキュリティ水準に応じて★1(レベル1)から★4(レベル4)までの4段階の適合基準が定められています。
| レベル | 位置づけ | 評価方式 |
|---|---|---|
| ★1(レベル1) | IoT製品に共通して求められる最低限のセキュリティ要件 | ベンダーによる自己適合宣言 |
| ★2(レベル2) | 製品類型ごとの特徴を考慮し、★1に追加する基本的なセキュリティ要件 | ベンダーによる自己適合宣言 |
| ★3(レベル3) | 政府機関、重要インフラ事業者、地方公共団体、大企業等の重要なシステムでの利用を想定した汎用的なセキュリティ要件 | 独立した第三者評価機関による評価とIPAによる認証 |
| ★4(レベル4) | ★3と同様の重要なシステムでの利用を想定し、★3より高度なセキュリティ要件に対応するレベル | 独立した第三者評価機関による評価とIPAによる認証 |
※★1・★2では、ベンダーが適合基準・評価手順に基づいて自己評価を行い、チェックリストを添えてIPAへ申請します。IPAはチェックリストの形式確認を行いますが、評価結果の根拠となる証跡の提出は原則として求められません。疑義が生じた場合には検査やサーベイランスが実施され、適合ラベルが取り消される場合があります。★3・★4は独立した第三者評価機関の評価報告書に基づきIPAが認証・ラベルを付与する方式で、より高い信頼性が確保されます。
※適合ラベルは、対象製品がその適合基準が想定する脅威に対抗するための最低限のセキュリティ水準を満たしていることを示すものであり、完全・完璧なセキュリティを保証するものではない点に留意が必要です。
QNAP NASが適合した「Level 1」の意味
今回QNAP NASが適合した「★1(Level 1)」は、IoT製品に共通して求められる最低限のセキュリティ要件について、QNAP自身が所定の評価手順に基づいて自己評価し、チェックリストを添えて申請したものです。IPAおよび経済産業省による必要な確認を経て、IPAから適合ラベルが付与されています。
NASは、企業のファイル共有やバックアップ、監視映像の保存、仮想化環境のストレージ、ランサムウェア対策におけるバックアップ保管先など、さまざまな業務データを扱う重要なIT基盤です。ネットワークに接続して利用する製品であるからこそ、性能や機能だけでなく、セキュリティへの取り組みを確認したうえで選定することが、これまで以上に重要になっています。
今回のJC-STAR Level 1適合により、情報システム部門、販売店、SIer、自治体、教育機関、医療機関など、一定のセキュリティ要件を満たしたIT機器の選定・調達が求められるお客様にとって、製品比較や説明の際の判断材料のひとつとしてQNAP NASをご活用いただけます。
対象製品
今回、JC-STAR Level 1への適合が認められた主なQNAP NAS製品は以下のとおりです。
- TS-x64シリーズ
- TS-x73Aシリーズ
- TVS-hx74シリーズ
- TS-hx77Aシリーズ
- TS-hx87シリーズ
- TS-hx90シリーズ
- そのほか対象製品
※対象製品の詳細は、IPAのJC-STAR適合製品リストおよびQNAP公式サイトをご確認ください。
※IPAのJC-STAR適合製品リストにおける登録情報は、製品名称「QTS/QuTS heroシリーズ」、登録番号「2026069900002756」、有効期間「2026年6月15日~2028年6月14日」です(2026年7月22日時点)。最新の登録状況は、上記のIPA適合製品リストにて必ずご確認ください。
なぜ今、NAS選定においてセキュリティ評価の指標が重要なのか
近年、ランサムウェアによる被害は依然として企業にとって大きな脅威であり、バックアップデータやファイルサーバーの保管先であるNASそのものが、攻撃対象となる可能性にも注意が必要です。あわせて、取引先や調達先の製品・ベンダーのセキュリティ対策まで含めて確認する「サプライチェーン・リスク管理」の考え方が、政府機関や企業の間で広がりつつあります。
一方で、調達・選定を担当する情報システム部門や販売店、SIerにとって、製品ごとのセキュリティ対策状況を個別に調査・比較することは容易ではありません。JC-STARのような共通の評価制度に基づく適合ラベルは、こうした確認作業を効率化し、客観的な判断材料を提供する仕組みとして位置づけられます。
QNAP NASのセキュリティ・データ保護機能
QNAP NASは、企業や組織の重要データの安全性を高めながら保管・活用するため、アクセス保護、脅威対策、バックアップ、復旧までを見据えた多層的なセキュリティ・データ保護機能を提供しています。
アカウント・アクセス保護
- 2段階認証やパスワードレスログインなどの多要素認証による、管理者・ユーザーアカウントの不正利用リスク低減
- QuFirewallによる通信制御
- Malware Removerによるマルウェアのスキャン・除去
- セキュリティセンターによるNASの状態監視とセキュリティ評価
脆弱性対応・情報開示の透明性
- PSIRT(Product Security Incident Response Team)の運営による、製品セキュリティへの継続的な取り組み
- CNA(CVE Numbering Authority)として、脆弱性情報の採番・公開に関する透明性向上への取り組み
データ保護・バックアップ
- スナップショットによる迅速な復旧
- Hybrid Backup Sync(HBS)によるバックアップ、レプリケーション、クラウド連携
- QuTS hero搭載モデルで利用できる、ZFSベースのWORM(Write Once, Read Many)対応イミュータブルストレージ構成
- バックアップ完了後に通信経路を遮断し、攻撃者からバックアップデータを見つけにくくする「Airgap+」ソリューション
QNAPは、WORMやオブジェクトロックといった変更不可(イミュータブル)技術を、ランサムウェア対策における追加の防御層として位置づけています。HBS、ZFS WORM、イミュータブルスナップショット、Airgap+を組み合わせることで、ファイル共有、バックアップ、監視映像保存、仮想化環境、BCP対策など幅広い用途において、重要データの保管・保護・復旧に向けたより強固な環境を構築できます。
※利用できる機能や対応条件は、NASのモデル、搭載OS、OSおよびアプリケーションのバージョン、ネットワーク構成等によって異なります。導入前に各製品の仕様をご確認ください。
QNAP株式会社のコメント
本件について、QNAP株式会社マネージング・ディレクターのジャック・ヤン氏は以下のようにコメントしています。
「NASは、企業や組織の重要なデータを保管する中核的なIT基盤です。近年、ランサムウェア対策やサプライチェーンセキュリティ、IT機器調達時のセキュリティ確認の重要性が高まる中、QNAP NASがJC-STAR Level 1に適合したことは、お客様にとって製品選定時の安心材料のひとつになると考えています。QNAPは今後も、信頼性の高いストレージソリューションを提供し、お客様のデータ保護と安全なIT運用を支援してまいります。」
テックウインドによるQNAP NASの導入サポート
QNAP正規代理店であるテックウインドでは、QNAP NASの選定から導入後の運用まで、幅広くサポートしております。
- NASセットアップサービス
- QNAPあんしん初期設定サービス
- QNAPあんしんバックアップ設定サービス
- QNAPあんしん見守りサービス
- QNAPあんしんデータ移行サービス
QNAPを安心して導入したい方へ 各種あんしんサービスのご紹介はこちら
セキュリティ要件を踏まえたNASの選定や、導入後の設定・運用に不安がある場合も、専門スタッフがサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
QNAP NAS製品が「JC-STAR Level 1」に適合したことで、お客様はNASを選定する際に、セキュリティ対応状況を確認するための判断材料のひとつとして活用いただけるようになりました。特に、情報システム部門や販売店、SIer、自治体、教育機関、医療機関など、一定のセキュリティ要件を満たしたIT機器の調達が求められるお客様にとって、製品比較・調達時の説明材料としてお役立ていただけます。
QNAP正規代理店であるテックウインドでは、QNAP NASの導入・構成に関するご相談を承っております。導入をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
ビジネスに必要なIT機器の導入をサポートいたします



