ラックマウントサーバーとは？中〜大規模企業におすすめな理由や活用方法を解説

企業のIT環境は、サーバーを中枢として構築します。

ただし一口に「サーバー」と言っても、企業規模によってはサーバーごとに役割を決め、複数のサーバーを設置・運用している例も多くあります。

限られたスペースに効率的に複数のサーバーを配置するには、それに応じた筐体を選択する必要があります。

そのような目的を達成できる選択肢となるのが、ラックマウントサーバーです。

この記事では、ラックマウントサーバーや他の物理サーバーの特徴・違いなどについて解説します。

ラックマウントサーバーとは

ラックマウントサーバーとは、専用のサーバーラックに格納するように設計されたサーバーを指します。

企業や学校・病院などに存在する「サーバールーム」には多くのサーバーラックが並んでいる光景を目にすることがありますが、このラックに搭載して運用することを想定しているのがラックマウントサーバーです。

サーバーラックに格納することを前提とした設計は、複数のサーバーを設置し同時に運用するうえで様々なメリットがあります。

3種類の物理サーバーの特徴や違いを解説

企業などで導入されるサーバーの筐体は、大きく分けて以下の3つのパターンに分類されます。

• ラックマウントサーバー
• ブレードサーバー
• タワー型サーバー

ラックマウントサーバー

ラックマウントサーバーは、サーバーラックに直接固定して設置することを想定し設計されたサーバー機器です。最大の物理的特徴は、一般的なユーザーが目にするパソコンとは異なり、平たい板のような薄型で横長の形状です。

工業規格であるEIAによってラックの幅、高さ、取り付け穴の間隔などが規定されています。ラックマウントサーバーでは大きさ（厚さ）を表現する際に「U（ユニット）」と表現し、1Uは高さ1.75インチ（約44.45mm）×幅約19インチ（約482.6mm）とされ、奥行きはモデルごとに異なります。

この1Uごとのサーバーを、サーバーラック内のマウントレールに専用のキット・ネジを使用して固定し運用します。この設置方法により、サーバーラックの高さが許す限り、複数のサーバー機器を1つのラックに次々設置できる点が特徴です。

ブレードサーバー

ブレードサーバーとは、小型の筐体に極めて薄くコンパクトなサーバー（サーバーブレード）を格納して使用する機器です。サーバーブレードはCPU、メモリー、ネットワークインターフェース、ストレージインターフェースなどの基本的なサーバー機能を備えています。

サーバーブレードを「ブレードシャーシ」と呼ばれる筐体にまとめ、電源やファンなど共有部品を一連のサーバーで共有します。ラックマウントサーバーよりも省スペースで、省電力性にも優れています。また、配線が集約されるため、配線作業の効率化も図れます。

タワー型サーバー

タワー型サーバーは、一般的なデスクトップPCの筐体を一回り大きくしたようなサーバーです。内部にはCPU、メモリー、ストレージ、電源ユニットなどが搭載され、基本的な仕組みはパソコンと共通しています。

専用ラックを必要とせず、面積の小さいオフィスやSOHOでも設置可能です。ただし、搭載可能なCPU数やストレージ容量、拡張カード数は限られるため、小規模用途や特定用途向けに用いられます。

3種類の物理サーバーのメリット・デメリットの一覧

企業に合った物理サーバーの選び方

サーバー選定では、初期導入費用やスペースなどハード面だけでなく、用途と運用イメージを明確にすることが重要です。

例：従業員数数人規模で内部向けファイルサーバー用途ならタワー型が適していますが、外部向けWebサーバーや仮想化プラットフォーム用途ではラックマウント/ブレード型が適する場合があります。

将来的な増設性を考慮し、コストよりも運用効率を重視するかどうかを検討した上で選定することをおすすめします。

まとめ

この記事では、ラックマウントサーバーと他の物理サーバーの特徴や違いを解説しました。サーバー導入時はコストや設置面積だけでなく、用途や運用イメージを踏まえた最適な筐体選定を行いましょう。