NASは主にデータの保存・共有のために使われることが多いデバイスです。

しかし、近年のNASは性能も高く、アプリをインストールして機能を追加できるので、さまざまな活用が可能になっています。

QNAP NASのモデルでは、仮想化プラットフォームとしての活用など、高度な使い方ができるものもあります。

この記事では、そうしたQNAP NASの用途のうち、Dockerコンテナを展開して利用できる「Container Station」について解説します。

Container Stationとは?

Container Stationは、QNAP NAS上でDocker形式やLXD形式のコンテナをを統合的に管理・実行するための専用アプリです。

Webサーバーやデータベース、ホームオートメーションツール(Home Assistantなど)など、数千種類以上のDockerイメージをNASにインストールできます。

Dockerコンテナとは?

まずは、Dockerコンテナについて、以下のポイントに分けて解説します。

  • コンテナ技術の仕組み
  • 仮想マシン(VM)との違い

それぞれ具体的に見ていきましょう。

コンテナ技術の仕組み

Dockerコンテナとは、アプリケーションの実行に必要なプログラムやライブラリを一つにまとめたものです。

これを「コンテナ」と呼びます。

これは、従来の「仮想化(VM)」とよく似ているように見えますが、大きな違いがあります。

それは、仮想化(VM)は、インフラストラクチャの上にホストOSがあり、その上にそれぞれ個別のゲストOSを立てるのに対して、コンテナは、OSの上にDockerエンジンを立て、その中に仮想的なユーザー空間であるコンテナを立てます。

これにより、高速かつシンプルな配置・起動が可能となるのです。

仮想マシン(VM)との違い

コンテナと仮想マシン(VM)との違いについて、大まかにイメージしやすいよう、以下のように比較します。

項目 Dockerコンテナ 仮想マシン
起動速度 極めて早い 数分
必要リソース 少ない 多い
隔離レベル プロセスレベル OSレベル
移植性 高い 低い

Container Stationを使うメリット

ここからは、Container Stationを使うメリットについて、下記のポイントに分けて解説します。

  • NASをアプリサーバーとして活用できる
  • Dockerアプリを簡単に導入できる
  • コンテナ管理をGUIで行える

それぞれ具体的に見ていきましょう。

NASをアプリサーバーとして活用できる

Container Stationを使用することで、NASのリソースを使い、アプリサーバーやクラウドストレージ、開発環境などを構築して活用できます。

本来は専用のPCやサーバーを別途調達する必要があるなど、コストが追加で必要となることもありますが、Container Stationでは既存資産であるNASを最大限活用できます。

Dockerアプリの導入や管理がGUIでできる

仮想化では、GUI操作で仮想環境を構築できるサービスも増えてきてはいますが、本格的な仮想環境の構築にはまだCLIを必要とする場面も多くあります。

Container Stationでは、CLIを必要とせず、QNAP NASのWeb管理画面である「QTS」などから、アプリケーションをGUIで操作することで、Dockerアプリを導入・活用できます。

また、リソース使用率の確認や管理もGUIで行えるため、CLIに慣れていないユーザーでもスムーズに運用ができます。

Container Stationの主な機能

ここからは、Container Stationの主な機能について、下記のポイントに分けて解説します。

  • Docker Hubからアプリを導入できる
  • コンテナの作成・管理
  • ネットワークとストレージ管理

それぞれ具体的に見ていきましょう。

Docker Hubからアプリを導入できる

Docker Hubは、世界中の開発者が数多く参加しているコンテナ共有サービスです。

Container StationはDocker Hubと連携しており、キーワード検索などから、Docker Hubにある目的のアプリをダウンロードして展開できます。

コンテナの作成・管理

Container Stationのコンテナ作成は、複雑なCLI操作は必要ありません。

ウィザード形式で必要な項目を選択・入力することにより、簡単にコンテナを作成できます。

ネットワークとストレージ管理

現代では、Dockerコンテナも仮想マシンもネットワーク接続が大前提となることが多いでしょう。

Container Stationでは、コンテナごとに個別のIPを割り当てる、NAS上の特定フォルダーをボリュームとしてマウントするなど、効率的かつ柔軟な運用ができます。

また、コンテナとデータボリュームを分けることにより、コンテナを削除してもコンテナ内のデータだけは残すなどの運用も可能です。

Container Stationはこんな人におすすめ

Container Stationは、QNAP NAS上にコンテナを手軽に構築したい方にぴったりのアプリケーションです。

仮想化プラットフォームは必ずしもNAS上で稼働できるものばかりではありませんが、検証環境や開発環境をNAS上に構築したいという需要は多くあるでしょう。

Container Stationは、そうした需要にコンパクトに応えられる、便利なアプリケーションであるといえます。

まとめ

この記事では、QNAP NASでコンテナを展開できるアプリケーション、Container Stationについて解説しました。

Container StationはGUIで手軽にコンテナを設置でき、またネットワークやストレージ管理も手軽に行えます。

本来はコンテナ構築やVM設置には専用マシンを調達することも珍しくありませんが、QNAP NASを保有している場合は、NASがそのままコンテナのためのインフラストラクチャとして活用できる場合もあります。

コンテナの活用を検討している方は、この記事で解説した内容を参考にしてみてください。

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