NASを活用するうえで、スナップショットの設定は非常に重要です。

この記事では、スナップショットの概要とバックアップとの違い、そしてQNAP NASでのスナップショット設定の方法について解説します。

スナップショットとは

NASにおける「スナップショット」とは「ある時点でのファイルやディレクトリーなどの状態を抜き出したもの」です。

NASでは、スナップショットはディスクごとのファイル・ディレクトリーの状態ではなく、ボリュームそのものの状態を保存しておく機能として利用されます。

スナップショットという機能は故障や障害時の復旧のためにも役立てられますが、混同されがちな用語として「バックアップ」があります。

バックアップとスナップショットの違いについては、次の項目で解説しましょう。

バックアップとの違い

バックアップとスナップショットは混同されやすい概念です。

そこで、イメージしやすいように例え話として、一台のオフィスデスクをイメージしてください。

このデスクの上には、何冊かの本が並んでいます。

デスクがNASのHDDボリュームであり、この本が「データ」です。

「バックアップ」とは、本の中身をすべてコピー機で複製し、別のデスクに同じように並べておく行為を指します。

「スナップショット」は、デスクの上の写真を撮影し「この本はこの場所にあった」「デスクの上はこのような状態だった」ということを記録する行為です。

バックアップは、データの内容をすべて複製するために時間がかかりますが、完全な複製が別の場所に保管されています。

スナップショットはデスク上の「状態」を記録するのでデータのすべてを複製できるわけではありませんが、迅速に状態を記録できます。

実際のNASでのスナップショット活用シーンは、以下のような用途が代表的です。

  • ファイルの誤消去や上書きによるデータの喪失・損失から復旧する
  • ランサムウェアによるデータの暗号化から復旧する
  • ストレージサーバーのシステム障害・ウイルス感染から復旧する

スナップショットはスナップショット取得時点でのファイルやフォルダーの状態を保存する機能です。

そのため、スナップショット取得後に誤ってデータ・ファイルを削除した場合や、ランサムウェア・ウイルス感染によるデータの損失に対し、上書き前・削除前のファイルをスナップショットから復旧できるのです。

QNAP NASでのスナップショットの設定方法

ここからは、QNAP NASでのスナップショットの設定方法について解説します。

QNAP NASでは、初回起動時にストレージプールとボリュームの設定を行います。

ストレージプールとボリュームの設定が完了すると、ウィザードの案内に従い、スナップショットの設定画面に移行します。

この設定画面では、スナップショットの容量(どれだけの容量をスナップショット領域として確保するか)と、アラートの閾(しきい)値について設定します。

ウィザード内で表示される「プール保証されたスナップショット領域」とは、ストレージプール内に確保されるスナップショット専用の領域を指します。

プール保証されたスナップショット領域は、システムによって勝手に他のデータの保存領域として活用されることはありません。

具体的な設定方法については、以下の記事をご参照ください。

RAID構築とストレージプール(スナップショット機能)、ボリュームの設定について

設定が完了したら、まず現時点でのスナップショットを作成してみましょう。

QTSの画面から「ストレージ&スナップショット」のアイコンを選択し「データ保護」の項目の中にある「スナップショット」を選択します。

現在NASにあるボリューム/LUNの一覧が表示されるため、適切なボリュームの下にある「スナップショットをとる」のボタンをクリックします。

「スナップショットを撮る」のウィンドウで設定できる項目は、以下の3つです。

  • スナップショット名
  • このスナップショットを永続的に保持する
  • 説明

スナップショット名は任意に変更してもかまいません。

また、デフォルトのままでも問題ありません。

「このスナップショットを永続的に保持する」はチェックボックスとなっています。

このチェックボックスをオンにして作成されたスナップショットは「永続スナップショット」と呼ばれ、システムによる自動削除は行われません(手動での削除は可能)。

NASの初期設定が終わった後など、デフォルトの状態を保存しておきたい場合に活用するとよいでしょう。

「説明」の文字の横にあるアイコンをクリックすると、説明文を入力するフィールドが表示されます。

スナップショットについての説明文を記載できるので、このスナップショットがどのような性質のものなのかなど、メモ用として活用するのもよいでしょう。

これらの設定を完了し「OK」をクリックすると、スナップショットが作成されます。

画像にある通知ウィンドウが表示されれば、スナップショットの作成は完了です。

スナップショット設定の変更方法

スナップショットの設定完了後に、設定内容を変更したい場合もあるでしょう。

スナップショット設定を変更する場合は、変更したいボリューム/LUNの名前の右側にある「プール保証されたスナップショット構成」のボタンをクリックし「構成」をクリックします。

表示されるウィンドウは、初期設定の際に設定した画面と類似のもので、スナップショット領域の設定ができます。

NAS上のスナップショットすべてに対する設定(グローバル設定)は「ストレージ&スナップショット」画面の右上にある歯車アイコンから設定できます。

この画面では、個別ボリューム/LUNに対する設定ではなく、NAS全体のスナップショットの運用について設定ができます。

スナップショットの取得・運用状況に合わせて設定を変更してください。

まとめ

この記事では、QNAP NASにおけるスナップショット設定について解説しました。

バックアップとスナップショットは、どちらもNASを運用するうえで重要な機能です。

バックアップとスナップショットの役割の違いを把握し、それぞれ適切に設定することで、安全にNASのデータを運用できるでしょう。

この記事で解説した内容を参考にして、スナップショット設定を行ってみてください。

他の設定や使い方に関しては以下をご覧ください。

設定や使い方の一覧を見る

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