
無線LANルーターの通信規格の違いについて
2種類の周波数帯域
無線LANの規格に定められる周波数帯域には、2.4GHz前後の帯域と5GHz前後の帯域の2種類があります。
従来の無線LANでは2.4GHz帯が利用されてきましたが、2.4GHz帯は電子レンジ、Bluetooth機器、コードレス電話、ワイヤレスマウス/キーボード/ヘッドフォンなど多くの機器と電波干渉が発生しやすく、家庭内やオフィス内で通信速度が大幅に落ちる、あるいはLANやインターネットに接続できないといったトラブルがみられました。また、オフィスビルやテナントビル、集合住宅など、無線LANルーターがひとつの建物内に集中するような場合はルーター同士の電波干渉も問題となってきました。 これに対し、5GHz帯は2.4GHz帯のようにほかの機器と干渉することはほとんどなく、またユーザー数もまだ限られているため、5GHz帯は電波干渉の心配が少なく、安定した高速通信が期待できます。
通信規格「IEEE802.11」について
無線LANの通信規格は、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. 日本語訳:米国電気電子学会)という世界的な団体によって策定された「IEEE 802.11」という規格が採用されています。 無線LANルーターや各無線端末は、この規格に準じているため、違うメーカーの機器同士でも問題なく接続できるようになっています。
次世代規格「IEEE 802.11ac」について
2014年9月現在の最新規格は2009年9月に策定されたIEEE 802.11nですが、現在策定中の次世代規格として、「IEEE 802.11ac」の草案(ドラフト)がまとめられています。
IEEE 802.11acは8ストリームに対応し、最大通信速度6.9Gbpsとなっています。11acのドラフトに準拠する無線LAN機器もすでに市販されています。まだ8ストリームをフルに使う製品はみられませんが、最大通信速度が1Gbpsを超える超高速無線LANルーターはもう登場しています。
現在使用されているIEEE 802.11規格には「n・a・g・b」の4種類があります。また次世代規格を含む それぞれの特徴はおよそ次の通りです。
規格 | 帯域 | 最大通信速度 | 特徴 |
---|---|---|---|
11ac | 5GHz帯 | 6.93 Gbps | 次世代規格、超高速通信 |
11b | 2.4GHz帯 | 11Mbps | 電波干渉に弱い |
11g | 2.4GHz帯 | 54Mbps | bと互換性がある |
11a | 5GHz帯 | 54Mbps | 電波干渉に強い |
11n | 2.4GHz帯と5GHzに両対応 | 最大通信速度300Mbps(2ストリーム)、450Mbps(3ストリーム)、600Mbps(4ストリーム)※ ※ストリームとは、複数のアンテナを使って電波を並列に送受できる数。IEEE 802.11nでは最大4ストリームに対応しているため、1ストリームあたり150Mbps×ストリーム数が最大通信速度になる。 |
2.4GHz帯ではb、gと、5GHz帯ではaと互換性がある |
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