Windows Server 2012R2 StandardにはCAL(キャル)も必要
Windows Serverを利用するには、単純にWindows Server搭載モデルを購入すればそれでいいとお考えではありませんか?実はWindows Serverを購入しただけでは、サーバーの所有権を手にしただけであり、実際に運用するためには別途Windows ServerCALの購入が必要です。
CAL:Client Access Licenseとは
パソコンからWindows Server 2012R2へのアクセスにはClient Access Licenseが必要です。CALはServerの規模によって標準である程度の数が付属している場合と、新規にパソコン、もしくはユーザーで利用する台数または人数に合わせて購入する場合があります。CALを購入する必要な数やCALの種類はユーザーの数、もしくはパソコンの台数で決定します。
どちらか少ない方を基準に数えると、無駄にCALを購入せずに済みます。
ユーザーCAL(1人が複数の端末を使っている)
ある社員が、普段の業務用のパソコンとは別に移動時に使うパソコンがある場合はユーザーCALがおすすめです。多くの社員が複数台のパソコンを使っている場合は、ユーザー数を基準としてCALを購入します。パソコンの数だけCALを購入してしまうと、人数分以上にライセンスが必要となっていまいます。ユーザーCALでは同時に一人のユーザーが複数台のパソコンでサーバーにアクセスしても問題はありません。
- 業務の種類に合わせてパソコンを使い分ける社員がいる
- 本社と支社それぞれにあるパソコンを使って同じサーバーにアクセスする
デバイスCAL(複数人が1台の端末を共有している)
曜日や時間帯ごとに使う人が異なるパソコンがある場合はデバイスCALがおすすめです。ユーザーCALで購入してしまうと、出勤時間帯の重なっていない人の分も必要ですが、パソコンの数だけCALを用意するデバイスCALなら会社にあるパソコンの台数分を購入すればOKです。複数人でパソコンを共有している場合はデバイスCALがお得です。
- 店頭などで使うパソコンで置ける台数が少ない
- 高価な業務用アプリケーションが1台のパソコンにインストールされている
仮想化サーバーのCALとバージョンに注意
CALは、物理的なサーバーだけでなくHyper-Vを利用して仮想化されたサーバーにも必要です。また、CALは、実行しているサーバーOSのバージョンに合ったものを用意する必要があります。たとえば、Windows Server 2008R2用のCALで、Windows Server 2012R2にアクセスすることはできないので注意しましょう。また、新しいバージョンのCALで旧サーバーへのアクセスは可能です。
Windows ServerCALのよくあるご質問
- CALを購入しないでWindows Serverに接続するとどうなりますか?
- CALを取得せずにサーバーに接続することは規約違反です。Windows Serverの不正利用と見なされ、企業のコンプライアンスを問われることにもなるため、十分にご注意ください。
- なぜCALが必要なのでしょうか?
- Officeなどのソフトウェアを利用する際にライセンス(使用許諾)が必要なように、サーバーから提供される機能/サービスを利用するために必要なライセンスがCALです。ライセンスを正規に取得することで提供されるサービスを利用できるという契約が成立します。
- OEM版Windows Server 2012を購入しましたが、この製品にはCALは付属していますか?
- OEM版Windows Server 2012では、以前のバージョンのOEM版とは異なり、CALが付属しておりません。CALは別途ご購入ください。
- Windows ServerCALはサーバーのStandard、Datacenterに関わらず使えますか?
- はい。CALはWindows Serverのバージョン(2008R2や2012といった数字)に対応するCALが必要ですが、エディション(StandardやDatacenterといった同一バージョンでの機能差を示す名称)では関係なく利用いただけます。
- Windows ServerのサーバーCAL以外にも他のCALが必要ですか?
- 特定用途別CALというWindows Serverの特定の機能を利用する場合に専用のCALがRDS必要になります。
詳しくはWebページをご確認ください。
- OEM版のCALを持っているユーザー(デバイス)は、パッケージ版やボリュームライセンス版のWindows Serverを利用できますか?
- はい、大丈夫です。正しいCALバージョンで、必要なユーザー数やデバイス数の分のCALをお持ちであれば、社内に異なる種類(OEM版/パッケージ版/ボリュームライセンス版)のWindows Serverがあってもすべて利用可能です。
- Windows Serverが複数あります。その際、利用Windows ServerごとにCALが必要ですか?
- いいえ、最初にユーザーやデバイスに正しい数のCALが割り当てられていれば、その後サーバーが増えてもCALを追加する必要はありません。また最新バージョンのCALをお持ちであれば、それ以前のバージョンのWindows Serverにもアクセス可能です(P4参照)。
- Windows Server 2012Hyper-Vで仮想環境を構築していますが、仮想インスタンスはすべてWindows Server 2008/2008R2です。必要なCALを教えてください。
- Windows Server 2012をHyper-V仮想環境設定のためだけに利用し、仮想インスタンスがすべてWindows Server 2008/2008R2の場合、ユーザーまたはデバイスのCALは2008バージョンで問題ありません。ただしホスト側のWindows Server 2012で、仮想環境設定以外の役割を利用する場合には、CALも2012のバージョンが必要になります。
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