公開日:2025.09.25 更新日:2025.09.25 閲覧数 481 (月間244)

こんにちは、テックウインド株式会社メディアチームです。

小型PC「NUC(ナック)」とは何か

NUC(ナック)とは「Next Unit of Computing」の略で、インテル社が2013年に発売を開始した超小型フォームファクターのパソコン製品ラインです。

典型的なNUCキットは片手に収まる約10cm四方の小さなマザーボードをプラスチック製のケースに収めたベアボーンPC(一部組立が必要なPC)で、冷却用の小型ファン、外付けAC電源アダプター、モニター背面などに取り付け可能なVESAマウントが付属します。ユーザーがメモリーやストレージ、OSを追加するだけで手軽にパソコンが組み上がる設計です。

インテルがNUCを開発した背景には、従来のデスクトップPCの小型化ニーズがあります。元々インテルは2012年頃にNUCをデジタルサイネージ端末やキオスク端末向けに設計しており、限られたスペースでも設置できる超小型PCとして構想されました。その後、この“小さなPC”は徐々に一般コンシューマーからも注目を集め、コンパクトなデスクトップPCとして幅広い用途で利用されるようになりました。

NUCの歴史:登場から現在までの歩み

インテルは2012年に初めてNUC試作機を公開し、2013年初頭に第1世代NUCを市場投入しました。第1世代モデル(コードネーム「Ski Lake/Deep Canyon」)ではIntel Sandy Bridge世代のインテル® Celeron® プロセッサー 847(デュアルコア、TDP17W)を搭載した超小型ベアボーンが登場し、当初はUSB 2.0やHDMI出力を備えたシンプルな構成でした。

発売当初の価格は約399ドルで、わずか数千円の教育用ボードであるRaspberry Piとは一線を画す高性能路線でした(例:CPU単体コストが200ドル超)。

その後、NUCはインテルのCPU世代交代に合わせて毎年のようにアップデートされ、第2世代(Ivy Bridge)以降はインテル® Core™ i3/i5 プロセッサー搭載モデルも投入されました。2015~2016年にはSkylake世代で「Skull Canyon」と呼ばれる高性能モデル(インテル® Core™ i7-6770HQ プロセッサー搭載)が登場し、Thunderbolt 3ポートによる高速接続や強力な内蔵GPU(インテル® Iris® Pro グラフィックス 580)によってゲームやグラフィックス用途にも応えられる性能を実現しました。

2018年には第8世代インテル® Core™ プロセッサー搭載の「Hades Canyon」が発売され、インテルのCPUにカスタムAMD Radeon GPUを組み合わせることでVRに対応するほどのグラフィックス性能を小型筐体で達成しています。

第8世代インテル® Core™ プロセッサー搭載インテル® NUC

このようにNUCは世代を重ねるごとに性能向上と機能追加が図られ、初期モデルでは割り切られていた有線LANポートや高速インターフェースも順次強化されました。実際、第1世代の試作機「Box Canyon」ではThunderboltポート実装の代償にLANポート非搭載という思い切った設計をしていましたが、ユーザーからの不評もあり、すぐに従来通りLANポートを備えたモデル「Ice Canyon」が用意されるなど、ユーザー要望に合わせてインターフェースの充実が進められています。現在ではThunderbolt 4ポートを2基、有線LANポートを2基搭載するNUCも登場するなど、小型ながら豊富な拡張性を持つ製品へと進化しました。

近年インテルはNUCを多彩なバリエーション展開も行いました。省電力でファンレス運用が可能な産業・組込向けモデル(NUC Ruggedシリーズ)や、拡張カード形式の「NUC Compute Element」によるモジュラー型NUCも発表しています。

また、「NUC Extreme」シリーズでは本体サイズをやや大型化して拡張スロットを備え、内部にデスクトップ用グラフィックボードを増設可能にしたことで、小型PCながらハイエンドゲーム並みの拡張性を実現しました。例えば2022年発売のNUC 12 Extreme(Dragon Canyon)は第12世代インテル® Core™ i9 プロセッサーとPCIe接続の2スロット占有GPUを組み合わせ、従来のタワーPCに迫る性能を20リットル未満の筐体で実現しています。

転機となったのは2023年です。インテルは同年7月、NUC事業から撤退する方針を発表し、今後はパートナー企業によるNUC事業継続に戦略転換すると表明しました。その後、台湾のASUS社がインテルとの契約によりNUC製品ポートフォリオの非独占ライセンスを取得し、インテルに代わってNUCシリーズの製造・販売・サポートを引き継ぐことが決定します。

ASUSは新設した「ASUS NUC BU」にて第10~13世代までの既存インテル® NUC製品を扱うとともに、インテル® Core™ プロセッサー(第14世代)搭載の新製品群(NUC 14 Proシリーズなど)を2024年以降に展開し始めました。実際2024年初のCESではASUSブランドでの「NUC 14 Pro」「NUC 14 Pro+」、さらには初のゲーミング向け「ROG NUC」が発表され、同年9月のIFAではAI推論機能を強化した「NUC 14 Pro AI」モデルもお披露目されています。2025年には「NUC 15 Pro」も発売しています。このように、インテル直営からASUS主導へと体制は変わりましたが、NUCブランドは2025年以降も継続して進化を遂げています。

NUCの特長:コンパクトながら高性能・省電力なミニPC

NUCシリーズに共通する一般的な特長として、以下の点が挙げられます。

超小型サイズ

NUC最大の特長はそのコンパクトさです。マザーボード寸法は約10×10cm程度(名刺より一回り大きい程度)で、ケース容量も0.5~1リットル前後しかありません。まさに手のひらサイズのPCであり、モニター背面に取り付けたりリビングのテレビ横に置いたりしても邪魔にならない省スペース設計です。ノートPC用部品を採用した設計上、内蔵バッテリーこそありませんが据え置き用途では困らず、必要に応じて手軽に持ち運ぶこともできるサイズ感です。

両手に乗るサイズ感

十分なパフォーマンス

小型とはいえ性能面は侮れません。最新のNUCではインテル® Core™ Ultra プロセッサーを搭載しています。例えば、ASUS NUC 15 Proに搭載されているインテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 255Hは高性能コアと高効率コアを組み合わせたハイブリッド構成でマルチタスク処理を効率良くこなします。

NUCに搭載されるインテル® Core™ Ultra プロセッサーの多くは、ノートPC向けとはいえデスクトップPCと同等クラスの処理能力を発揮し、日常的なオフィス作業から高度なクリエイティブ作業まで対応できる水準です。

省電力・低発熱

NUCは基本的にノート向けの省電力CPUを採用しており、電力効率の高さも魅力です。典型的なNUCはTDP15W前後のCPUをベースとしており、中にはTDP6W程度の超低消費電力モデルまで存在します。

アイドル時の消費電力もわずか数ワット台と非常に低く抑えられ、常時通電が必要なホームサーバー用途やメディアプレーヤー端末として長時間連続稼働させても電気代や発熱を心配しにくい設計です。

実際、Raspberry Pi 4が約3~4W程度の消費であるのに対し、ASUS NUCでもモデルによりますがアイドル~通常負荷でおおむね10~30W程度に収まっており、省エネ性能に優れています。

静音性

発熱と消費電力が小さいため、冷却ファンの動作音も静かな機種が多いことも特長です。日常的な使用シーンではファン搭載モデルでも動作音がほとんど気にならない場合が多く、実機レビューでも「ほぼ無音に近い静かさ」と評価される製品もあります。

ただし、高負荷時にはさすがにファン音が聞こえるモデルもあるため、完全無音動作を求める場合はファンレス構造のNUC(Intel Atom® プロセッサー搭載モデルなど)やSSDのみ搭載の構成を選ぶと良いでしょう。

拡張性と柔軟性

NUCは小型ながら必要十分な拡張性も備えています。基本的にユーザー自身でメモリーやストレージを増設・交換可能(ノートPC用SODIMMスロットやM.2スロットを搭載)であり、機種によっては最大64GBもの大容量メモリーや2基のM.2 SSDを搭載できるモデルも存在します。

外部インターフェースも充実しており、USBポートのほか高速なThunderbolt 4(USB4)ポートを搭載するモデルでは40Gbpsでのデータ転送やデュアル4K出力(または単体8K出力)にも対応し、複数の高解像度モニターや高速ストレージを直接接続可能です。

有線LANポートやWi-Fi/Bluetoothも標準搭載し、オプションで拡張カードスロットや外部GPUボックス(eGPU)の活用もできるなど、小さいながらデスクトップPCに匹敵する柔軟な接続性を持っています。また筐体は底面ネジを外すだけで開けられるものが多く、ユーザー自身でのメンテナンスやパーツ換装も比較的容易です。

他の小型PCとの比較:Raspberry Pi、Mini-ITX、Beelinkなど

超小型PCというカテゴリにはNUC以外にも様々な製品やアプローチがあります。代表的なものとしてシングルボードコンピュータのRaspberry Pi(ラズベリーパイ)、自作PC用のMini-ITXフォームファクター、そしてBeelinkやMinisforumといった近年人気の小型完成品PCがあります。それぞれの特長をNUCと比較しながら見てみましょう。

Raspberry Piとの違い

Raspberry Pi(ラズパイ)は教育用途やホビー向けに開発されたクレジットカード大のシングルボードコンピュータ(SBC)で、価格が非常に安価(本体数千円程度)で入手しやすい点が大きな魅力です。一方でNUCは数万円クラスの製品であり、搭載するハードウェア性能が桁違いに高いため製品コストも上昇します。

例えばRaspberry Pi 4がARMベースのクアッドコアCPUを搭載し基本的な軽量OSで動作するのに対し、NUCはインテル® Core™ プロセッサーなどx86ベースの強力なCPUを搭載しておりデスクトップPCと同等の処理能力を発揮します。そのぶん消費電力もPiの数ワットに比べNUCは数十ワット程度へ上がりますが、Windowsや高度なアプリケーションも含め汎用のPC用途にそのまま利用できる柔軟性があります。

Raspberry Piは主にLinux系OSで動作し、電子工作やIoTプロジェクト、簡易サーバー、プログラミング学習などに適したプラットフォームです。低消費電力で24時間稼働させても電気代がごくわずかなため、自宅のホームオートメーションやロボット制御、センサー集約など組込み用途によく使われます。また教育目的で子供から大人まで手軽にプログラミングや電子工学を学べる教材としても人気があります。

対してNUCはキーボード・マウス・ディスプレイさえ接続すれば完全なデスクトップPCとして動作し、オフィスソフトから高度なクリエイティブソフトまで幅広いソフトウェアを動かすことが可能です。

総じて「安価で低電力だが性能控えめ」のRaspberry Piに対し、「高性能だが価格と消費電力も大きい」のがNUCといった位置づけであり、それぞれ得意分野が異なります。

Mini-ITX自作PCとの違い

Mini-ITXは17×17cmサイズの小型マザーボード規格で、自作PC愛好家向けには昔から定番の小型フォームファクターです。Mini-ITXマザーを用いれば、小型ケースやSFX電源、CPUクーラーなどコンパクトなパーツを組み合わせてキューブ型・薄型など自在な形状の小型PCを組み立てることができます。

Mini-ITX対応ケースの例「SilverStone SUGO 15」

最大の違いはそのカスタマイズ性と拡張性です。Mini-ITX自作PCではCPU(デスクトップ向けの高性能CPUも選択可)やGPU、ストレージ台数などを自由に選べるため、適切な冷却と電源さえ用意すればハイエンドGPUを搭載したゲーミングPCやワークステーション級の性能を小型筐体で実現することも可能です。実際、小型ケースにGeForceやRadeonのハイエンドカードを積んだMini-ITX自作PCは高性能ゲーミングリグとして根強い人気があります。

一方で、自由度と引き換えに製作にはPCパーツ知識と組立作業が必要となり、初心者にはハードルが高い面もあります。また小型といってもケースや電源を含めると容積はNUCより大きくなりがちで、拡張カード搭載時はNUCより数倍の体積になることも珍しくありません。要するに「究極の小型化・省力化」を追求した完成品がNUCであり、「性能や拡張優先である程度の大きさや手間は許容する」のがMini-ITX自作と言えるでしょう。

両者は目的や対象ユーザーも異なり、NUCがプラグ&プレイですぐ使える手軽さで一般ユーザーに訴求するのに対し、Mini-ITXは機器いじりやパーツ選びを楽しむDIY志向のユーザーや、どうしても特定の拡張カードを組み込みたい専門用途ユーザーに向いています。

他メーカー製ミニPCとの違い(BeelinkやMinisforumなど)

近年、インテルやASUS以外のメーカー製ミニPCも数多く登場し、NUCと肩を並べる存在となっています。代表例が中国のメーカーであるBeelink(ビーリンク)やMinisforum(ミニスフォーラム)で、他にもGEEKOMやCHUWI、ASRock、ZOTAC、Gigabyte(BRIXシリーズ)など様々なブランドが超小型PCを展開しています。

これらの多くはNUCとコンセプトが共通しており、実際に搭載されるCPUもインテル® Core™ プロセッサーやAMD Ryzenシリーズといった同等のものが使われます。そのため性能自体は搭載CPU性能に準じるケースが多く、ブランドによる大きな差はありません。

ただし、製品戦略やターゲットが各社で異なり、例えばMinisforumはAMD Ryzen搭載の高性能モデルを積極的に投入してクリエイターやゲーマー層にアピールしたり、Beelinkは手頃な価格の普及モデルからハイエンド機までラインナップしてコストパフォーマンスの高い製品を展開したりしています。

事実、MinisforumやBeelinkの一部機種は純正NUCでは実現していなかった独自仕様を打ち出しており、たとえばMinisforumの「Neptune HX100G」はコンパクトな筐体にノート向けRyzen 7とモバイル向けRadeonディスクリートGPUを組み合わせてAAAゲームも快適に動作するゲーミング小型PCを実現しています。このように新興メーカー各社の参入によって、小型PC市場は価格帯・性能帯とも選択肢が広がりました。

一方で、ASUS製NUCと比べた際のサポート品質や信頼性も無視できないポイントです。NUCシリーズは長期のBIOSアップデート提供や堅実な製品設計で定評があり、ASUSも「NUCは最高クラスの性能と高い品質・信頼性の象徴である」と評するようにブランドとしての安心感があります。実際NUCには3年間の長期保証が付くモデルも多く、企業ユースでも採用例が多いです。

それに対し、一部の低価格ブランドでは保証期間が1~2年程度に留まる場合もあり、製品によっては品質のばらつきや初期不良報告が見られるケースもあります。しかし近年ではMinisforumやBeelinkも品質向上に努め、サポート拠点の拡充や国内正規代理店での販売を行うなど信頼性の面でも改善が進んでいます。

また、ブランド名自体にさほどこだわらずODM製品を各社がリブランドしている状況もあり、製品ごとに中身のOEM元が共通ということも少なくありません。総じて言えば、ASUS NUCは信頼性・サポート重視のプレミアム路線、新興各社のミニPCは機能やコスパ重視で多様なニーズに対応という住み分けになってきています。

小型PC市場の現状:主要メーカー、用途トレンド

2025年時点で、超小型PC市場は世界的に拡大傾向にあります。特にアジア太平洋地域での需要増が著しく、日本を含む東アジア各国ではデジタルサイネージ、教育、産業用途などで小型PCの採用が加速しています。

市場拡大の背景には「省スペースかつ省エネで高性能」という小型PCのメリットが広く認知されてきたことが挙げられます。場所を取らず設置や移設も容易なため、オフィスのデスクトップPC代替や店舗のデジタル掲示端末、家庭のリビングPCなど幅広いシーンで導入が進んでいるのです。

主要メーカーの動向としては、2023年にインテルがNUC事業をASUSへ引き継いだことで業界構図に変化がありました。現在はASUSが「ASUS NUC」としてインテル® NUCのブランドを継承し、新製品開発も積極的に行っています。ASUSによると、NUCシリーズは今や「最高性能と高信頼性を兼ね備えたデスクトップPC代替」として市場で存在感を高めているとのことです。

他方、前述のとおりMinisforumやBeelink、GEEKOMといった専門メーカーも台頭し、市場には数多くの選択肢があります。加えて大手PCメーカーも小型デスクトップ製品を展開しており、例えばLenovoのTinyシリーズ、HPのMiniシリーズ、DellのMicroシリーズなどビジネス向け小型機も安定した需要があります。

アップル社もMac miniやさらに高性能なMac Studioを投入し、独自の省電力SoC(Apple Silicon)によってクリエイター向けの小型ワークステーション市場を開拓しています。このように、小型PC市場は大手から新興まで多様なプレイヤーが参入する盛況ぶりであり、それぞれが独自の強みを生かした製品を投入しています。

用途のトレンドにも広がりが見られます。従来はオフィスやリビングでのライトな用途(文書作成、ネット閲覧、動画視聴など)が中心でしたが、近年はそれだけに留まりません。例えばAIエッジコンピューティングの分野では、小型PCを現場に設置して映像データのリアルタイム解析や機械学習モデルの推論実行を行うケースが増えてきました。実際、ASUSは2024年にAIアクセラレーション機能を強化した「NUC 14 Pro AI」を発表しており、こうしたエッジAI用途に向けた小型PCも登場し始めています。

またゲーミング用途も注目分野です。以前は小型PCでゲームを動かすのは難しい面がありましたが、近年はGPU性能の高いAMD Ryzen搭載機やThunderbolt経由で外付けGPUを使う例、さらにはNUC ExtremeやMinisforumのように小型筐体にディスクリートGPUそのものを内蔵したモデルも現れ、フルHD~4K解像度でPCゲームを楽しめるミニPCが人気を博しています。

加えてビジネス用途では、小売店舗のレジ・キオスク端末、工場の制御用コンピュータ、オフィスのVDIクライアントなど、信頼性と省スペースを活かして様々な業務システムに組み込まれています。

特にデジタルサイネージでは、ディスプレイ背面に取り付けた小型PCで広告映像を再生するケースが多く見られ、飲食店や商業施設でNUCベースのプレーヤーが活躍しています。このように、小型PCは家庭から企業まで多岐にわたる分野で需要が拡大しており、「据え置きPC=大きなタワー型」という従来の常識が変わりつつあります。

NUCをモニターに取り付けた状態

小型PCとNUCの今後の展望

技術の進歩に伴い、超小型PCが今後ますます高性能化・多機能化していくことは確実視されています。半導体プロセスの微細化や省電力アーキテクチャの発展によって、同じサイズの筐体で扱える処理能力は年々向上しています。

例えば、インテル® Core™ Ultra プロセッサー シリーズ1(開発コードネームMeteor Lake)ではチップ内に専用AIエンジンを内蔵し、画像認識などAI推論処理を効率良く実行できるようになりました。こうした技術を搭載したNUCが登場したことで、エッジAIデバイスとしての活用も増えています。

また、将来的にはSoC(システムオンチップ)設計の高度化によりデスクトップPCもソケットレス化する可能性が指摘されており、いずれは従来型の大きなPCよりもワンボード型の小型PCが主流になるとの予測もあります。実際、「PCをゼロから自作する」より「完成済みの小型ユニットを必要に応じて追加する」形態のほうが省力化・効率化に適う場面も多く、オフィス環境などでは既にタワー型PCから小型PCへの置き換えが加速しています。

市場の視点では、小型PCは引き続き堅調な成長が見込まれています。企業のDX化・IoT化が進む中で、各所に設置するエッジコンピューティングノードとしての小型PC需要が増大するでしょう。またリモートワークやフレキシブルオフィスの普及により、持ち運び可能で設置自由度の高い小型PCの価値はさらに高まります。

メーカー各社も競争力強化のため、より高性能な筐体冷却技術(例:ヒートパイプ一体型筐体や静音ファン制御)やモジュール交換式の設計(CPUモジュールやGPUモジュールの着脱など)を研究しています。

総じて、小型PCの未来は非常に明るいと言えます。年々その性能・効率・汎用性が向上することで、益々多くの領域で活躍の場を広げていくでしょう。デスクトップ並みのパワーを持ちながら手の平サイズというこのフォームファクターは、今後のコンピューティングの在り方を変革し続けると考えられます。小型PCやNUCは、まさに「次世代のコンピューティング」を体現する存在として、今後も進化と普及を続けていくでしょう。

まとめ

NUCは、インテルが切り開きASUSが継承した、手のひらサイズながらデスクトップ並みの性能を発揮する小型PCの代表格です。登場以来、高性能化・省電力化・拡張性の強化を重ね、家庭から企業、教育、産業、AIエッジコンピューティングまで幅広い分野で活用されてきました。

競合製品や新興メーカーの参入により市場は多様化しつつも、NUCは高い信頼性と品質、長期サポートを武器に独自の地位を確立しています。

今後はさらなる高性能化やAI対応の進展により、小型PCは従来のタワー型に代わる新たな標準形態として、私たちのコンピューティング環境を大きく変えていく可能性を秘めています。

インテルとASUSの代理店であるテックウインドは、NUCの登場以来、多くのお客様へNUCの導入をサポートしてきました。豊富なノウハウを基に的確なモデル・構成をご提案いたします。

NUC導入をお考えの法人様のお見積り・ご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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