公開日:2025.01.20 更新日:2025.01.20 閲覧数 416 (月間4)

こんにちは、テックウインド株式会社メディアチームです。

現代企業では、多様化するデバイス管理が課題です。スマートフォンやタブレットだけでなく、PCやIoT機器が増え、リモートワークやBYODも普及しています。こうした状況を安全かつ効率的に解決するのがUEM(Unified Endpoint Management)。そもそもUEMとは何か。次章で、UEMの概要と基本機能を解説します。この先では、UEMが企業にもたらす利点や導入時の要点も解説していきます。

UEMとは?その概要と基本機能

UEMの定義と役割

UEM(Unified Endpoint Management)とは、企業内で利用されるすべてのデバイスを一元的に管理するためのシステムを指します。このデバイスにはPC、スマートフォン、タブレット、さらにはIoT機器など様々なエンドポイントが含まれます。UEMは、企業がセキュリティの維持や効率的な運用を図るために欠かせない管理ツールです。その主な役割は、デバイスのライフサイクルを通じた管理(初期セットアップから運用、廃棄まで)やセキュリティポリシーの適用、アプリケーション管理、そしてIDやアクセス権の制御まで多岐にわたります。

従来のMDMやEMMとの比較

UEMはMDM(Mobile Device Management)やEMM(Enterprise Mobility Management)などの従来型管理ツールとは異なり、より幅広いデバイスや機能をカバーしています。MDMは主にモバイルデバイス(スマートフォンやタブレット)を管理対象としており、デバイスロックやデータ消去、セキュリティ設定の一括管理が主な目的です。一方、EMMはMDMに加え、モバイルアプリケーションやコンテンツの管理機能を統合しています。これに対してUEMは、PCからモバイルデバイス、IoT機器までの全デバイスを単一のプラットフォームで管理できる点が大きな違いです。また、UEMは高度なセキュリティ対策やクラウド環境への適応力も優れており、従来ツールを超えた利便性を提供します。

UEMが求められる背景:多様化するデバイス環境

近年、企業で利用されるデバイス環境は非常に多様化しています。従来のPCに加えて、スマートフォンやタブレット、さらにはIoTデバイスが業務の現場で活用されるようになりました。また、リモートワークやBYOD(従業員が個人所有のデバイスを業務に使用する形態)の普及により、企業が管理する端末の種類や数が急増しています。このような状況では、個別に管理ツールを導入するのでは非効率であり、セキュリティリスクも増大します。こうした課題を解決するために、UEMの存在が求められるようになったのです。

UEMの導入で実現すること

UEMを導入することで、企業はデバイス管理にかかる労力やコストを大幅に削減できます。一つのプラットフォームで多様なデバイスを一元管理できるため、管理プロセスを簡素化し、運用効率が向上します。また、UEMは高度なセキュリティ機能を備えているため、不正アクセスや情報漏洩のリスクを最小限に抑えることが可能です。さらに、リモートワーク環境におけるデバイス管理や、各種セキュリティポリシーの統一適用も簡単になります。これらのメリットにより、UEMは現代企業にとって必要不可欠なツールとなっています。

UEM導入のメリット

デバイス一元管理による効率化

UEMの導入による最大のメリットの一つは、PCやスマートフォン、タブレットといった多種多様なデバイスを統一した管理ツールで一元管理できる点です。これにより、従来のように別々の管理ツールやシステムを切り替える手間が省け、結果として管理業務の効率が大幅に向上します。例えば、MDMではモバイル端末の管理に特化していましたが、UEMはこれをさらに拡張し、企業内で利用するすべてのデバイスを一括して管理可能です。これにより、管理の煩雑さを解消し、管理者の負担を大幅に軽減します。

セキュリティ機能の向上

企業が抱えるセキュリティリスクを最小化する上でも、UEMは重要な役割を果たします。UEMでは、全てのデバイスが統一的なポリシーのもとで管理されるため、デバイスごとの設定ミスや管理の抜け漏れといった問題を未然に防ぐことができます。また、サイバー攻撃が高度化する現代において、UEMは最新のセキュリティ対策を提供し、不正アクセスや機密情報の漏洩を効果的に抑止する仕組みを備えています。そのため、企業全体のデバイス管理におけるセキュリティレベルを向上させることが可能です。

企業全体のIT運用コスト削減

従来、複数の管理ツールを採用していた場合、それぞれのライセンス費用や運用コストが発生していました。しかし、UEMを導入することで、こうした重複コストを削減し、企業全体のIT運用コストを最適化することができます。また、一元管理によって管理工数が削減されるため、IT部門が負担する人的コストの削減にもつながります。特に、複数拠点を持つ企業やリモートワークが浸透している企業にとって、このコスト削減効果は非常に大きなメリットと言えるでしょう。

リモートワーク環境のサポート

近年、リモートワークの普及により、場所を問わず働ける環境が求められるようになっています。UEMはインターネット接続を利用してデバイスの遠隔管理を可能にするため、リモートワーク環境においてもセキュリティを確保しつつ、スムーズな業務運用を実現します。また、パッチの自動適用やバージョン管理などの機能により、リモート環境下でもデバイスが常に最新の状態で利用できるため、運用面での不安を払拭することができます。このため、多拠点や在宅勤務に柔軟に対応した企業の生産性向上へと貢献します。

UEM導入時の注意点

導入前に把握すべき要件の明確化

UEMを導入する際には、自社が抱える課題や目的を明確にすることが重要です。例えば、スマートフォンやタブレット、PCといった多様なデバイスを一括管理したいのか、セキュリティ強化を優先したいのかといった要件を具体的にリストアップすると良いでしょう。このプロセスを通じて、利用するUEM管理ツールの必要な機能が洗い出され、適切な選定が可能になります。加えて、既存のITインフラとの連携も考慮しておくことが重要です。

デバイス管理対象範囲の定義

UEM導入においては、管理対象とするデバイスの範囲を明確にすることが必要です。PC、スマートフォン、タブレットといった基本的なデバイスだけでなく、場合によってはIoT機器も含まれることがあります。また、業務用デバイスだけでなく従業員が持ち込むBYOD(自己所有デバイス)を管理対象にする場合は、アクセス制限やプライバシー保護も考慮しなければなりません。これらを事前に定義することで、運用時にトラブルを未然に防ぐことができます。

従業員への通知と教育の必要性

UEMを導入する際には、従業員への通知と教育が欠かせません。新しい管理ツールやポリシーが導入されることで、従業員は使い方や新たなルールに戸惑う可能性があります。そのため、UEMのメリットや利用目的をしっかりと説明し、円滑に受け入れてもらうことが必要です。また、セキュリティ関連の教育を通じて、従業員自身の意識向上を促すことも重要です。これにより、企業全体でのセキュリティ向上が期待できます。

導入後の運用とサポート体制

UEM導入はゴールではなく、スタートに過ぎません。導入後には、安定した運用を継続的に行うためのサポート体制が求められます。例えば、デバイスの追加やセキュリティポリシーの変更が必要になった場合、迅速に対応できる体制を構築しておくことが理想です。また、トラブル時に問い合わせができる専任担当者やサポート窓口の設定を行うことで、リスクを最小化しながら効率的な運用を実現できます。

UEM活用の成功事例

UEMで全社的なセキュリティ強化を実現した事例

ある大手製造業企業では、社内外にわたるデバイスのセキュリティ対策が大きな課題となっていました。スマートフォンやタブレット、PCなどの多様なデバイスを管理するにあたり、従来のMDMやEMMでは対応が不十分であり、セキュリティ事故のリスクが高まっていました。

そこでUEMの導入を決定し、デバイスの一元管理を実現しました。特に、リモートデバイスに対するセキュリティポリシーの一括適用や、不正アクセスの即時ブロック機能が効果的でした。このシステムにより、情報漏洩リスクを大幅に削減でき、同時に従業員が安心して業務を遂行できる体制が整いました。UEM導入による統合セキュリティの強化が、ビジネスの信頼性向上につながった成功例です。

業務効率化を達成した企業の取り組み

金融業界の企業では、数千台規模のスマートフォンやタブレットの管理に膨大な時間と手間がかかっていました。各デバイスに個別の管理ツールを使用していたため、ソフトウェアのアップデートやセキュリティ設定の反映に遅れが生じることも課題となっていました。

そこでUEMの導入により、デバイス管理業務を一元化しました。この結果、全デバイスの設定変更やアプリケーションの更新が一括で可能になり、運用時間を半減することができました。また、中央管理画面でリアルタイムのデバイス状況を確認できるようになり、問題発生時の対応時間も大幅に短縮されました。このように、UEMは効率性向上に寄与する管理ツールとして注目を集めています。

多様なデバイスを包括的に管理する成功例

多国籍のIT企業では、従業員がさまざまな種類のデバイス(PC、モバイル、IoT機器など)を利用していることから、それらを個別に管理するコストと労力が大きな負担となっていました。従来のMDMではモバイルデバイス管理に限定されるため、他のデバイスに対応できず非効率的でした。

UEMを導入することで、すべてのデバイスの集中管理が可能になりました。一元化された管理システムにより、部門間のデバイス統一が実現し、障害発生時のトラブル対応も迅速化しました。この結果、IT部門だけでなく、その他の業務部門においても運用スムーズ化が図られ、全社的な業務改善につながりました。

中小企業でのUEM導入のコストパフォーマンス効果

ある中小企業では、セキュリティ対策強化と業務効率化の両立が求められていました。しかし、限られたIT予算内で複数の管理ツールを導入するのは困難であり、特にリモートワーク環境では管理業務が煩雑化していました。

UEMの導入を検討し、コストと機能を比較のうえ適切なツールを選定しました。結果として、モバイル端末やPCなどのデバイスを統合して管理することで、既存のシステムを削減しつつも全体的な運用効率を高めることができました。また、セキュリティリスクを低減しながら運用コストも削減することで、UEM導入のコストパフォーマンスの高さが証明されました。この成功例は、リソースが限られた企業にとって非常に有用な参考ケースとなっています。

まとめ

ここまでの内容を整理すると、UEMは多彩なデバイスとリモートワーク環境を包括的に管理し、セキュリティ対策と運用効率化を同時に叶える手段だと言えます。導入には、明確化した要件の反映や従業員への周知が不可欠であり、適切な運用体制を構築することが重要になります。また、定期的なアップデートの実施によって常に最新の脅威に対応し、生産性と安全性を両立することが可能でしょう。UEMを活用することで、企業全体のIT基盤を統合しながら、多様な働き方に柔軟に対応できる体制が実現するでしょう。新たなビジネス機会への素早い対応も見込めるはずです。

テックウインドは、UEMソリューション「SOTI」の正規代理店です。
UEMの導入をお考えの法人様のお見積り・ご相談を承っております。ぜひお気軽にご相談ください。
SOTI(ソティ)のご紹介ページはこちら

お客様に合った
最適な製品を紹介します!

製品の問い合わせ