関連メーカー:Arlo スマートホームセキュリティー

取材日:2019年9月5日
業界:農林水産業
2015年に北陸新幹線が開通し、外国人観光客にも人気の観光スポット、石川県金沢市。その市街地から車で南東に30分ほどの中山間地域に位置するのが金沢市七曲町。この地域の農地管理や生活道路整備等の活動をしているのが、七曲町生産組合です。10件も満たない町会メンバーで構成されており、具体的には草刈りや間伐処理など里山保全を行っています。
充電式で設置できる製品となると、Arlo一択でした。
取材協力

里山保全担当 山根 実様

コンサルティング本部 ICT担当 羽場 哲也様
導入前の課題
- イノシシやサルなどの害獣の生態把握や対策を打つための情報収集を行いたかった。
導入メリット
- 現場状況を遠隔操作で確認できるので、その場にかけつける手間は削減できた。
導入の背景
なぜArloなどの製品が必要だったのですか?
~導入前の課題~
山根様:数年前よりイノシシやサル、クマが町内に頻繁に山里まで下りてきており、生態把握や対策を打つための情報収集に使えないかと言うことで導入を検討しておりました。
温暖化で雪が降らなくなった影響で、害獣が冬を越せるようになり、どんどん北上してきています。サルも集団で来ると何十匹もいるので、凄いです。お米だけでなく、野菜も全部やられてしまいます。
イノシシも恐ろしいくらいいます。日中はほとんど活動せず、夜活動しますが、イノシシが荒らした後はひどいです。数カ月かけて丹精込めて作ったお米も、食べられるのは一瞬です。台風が来るより恐ろしいですね。イノシシは稲をむしって食べるだけでなく、稲作の田んぼに入って、泥あびをして、身体についた虫を取ったりします。そこで尿をすると、その尿の臭いが米に染みついてしまうため、イノシシが侵入した区画のお米は農協さんが運営するライスセンターでは買い取ってもらえません。そこでイノシシ除けのために6月頃に田んぼの周りを電柵で囲みます。6月頃に柵を設置しますが、設置に1区画で、2、3時間かかります。それだけで大仕事ですよ。
様々な製品がある中でなぜArloを選んだのですか?
~導入の決め手~
羽場様:設置に関して言うと屋外型で、磁石で好きなところにつけられるところが気に入りました。充電式で設置できる製品となると、Arlo一択でしたね。映像をSDカードに保存するのではなく、クラウドに映像データが保存され、スマホやタブレットで遠隔確認できる機能は他にはありません。そこが決め手となりました。事務所などの建物に設置となると、LANや電源の配線が比較的簡単ですが、農地になると、配線が容易ではありませんので、充電式で無線通信のため配線の必要がないところはとても魅力的です。耐久性、耐候性にも優れていて、農地等の屋外設置にも向いていると思いました。
選択肢として、携帯電話の機能が入ったようなカメラが15万円程度でありましたが、それですとただ録画するだけで、他のシステムと連動させたりする機能はありませんので、それ以上の発展はありません。
導入の概要
Arloを導入された施設を教えてください。
羽場様:町内全域を持ち回りで設置しています。至る所で当該動物が目撃されており、確認するために道路や畑などに向けて設置しています。
IP65準拠の防水仕様となっているため、屋外設置も可能。
Arloの優れていると思った点は何ですか?
羽場様:センサーが働いてからの録画なので映像確認が非常に楽で、思い立った時にリアルタイムに映像や音声を確認できます。また、設置位置の変更が容易でカメラ内蔵のマグネットはとても役に立っています。
アクティビティゾーンを作成して、アラートを有効にしたい特定のエリアを指定できる機能も優れていると思います。場所によっては、車や人の往来もありますが、エリアを限定することで、そうした動作には反応しないように設定し、不必要な通知を減らすことが可能になります。
どのように運用されていますか?
羽場様:イノシシやサル、クマなど害獣動物の生態把握です。生産組合メンバーの持ち回りで、撮影位置を色々と変えています。
Arloは、スマートフォンに無料アプリをインストールすると、今の状況をリアルタイムで見ることができます。その映像を録画することもできます。あとカメラにマイクがついていますので、話すことができます。動物を検知した時に、こちらから声で威嚇して、追い払うことができればと考えています。
実際の使い心地はいかかですか?
~初期設置やアプリ操作なども含めて~
羽場様:遠隔操作できるアプリは操作が分かりやすく重宝しています。但し、スマート警報で録画がされていない事があります。はっきりした原因は分かりませんが、カメラの設置場所によって、Wi‐Fiの通信状況が悪くてうまくいかないのかもしれません。
導入後の効果
Arloを導入してどんな効果がありましたか?
羽場様:管理エリア(農地、山林)は広いため、接続ステーションの接続限界(30m程度)を超えて設置したい場合があります。オプションのソーラーパネル充電を活用した「Arlo接続ステーション中継器」のようなものがあると、利用範囲が大幅に拡大して、製品自体ももっと魅力的になると思います。
具体的にお話ししますと、Arlo Pro2では、カメラを使うために、ベースステーションを有線LANでインターネット接続させ、カメラとベースステーションをWi-Fiでつないで利用します。ベースステーションは電源と有線LANに接続するため、屋内に設置する必要があります。そうなると、カメラはそこから30mほど離れた所までしかWi-Fiの電波が届かないため設置できません。本来であれば、被害にあった田んぼや建物に設置して害獣を監視したいのですが、今は設置することができていません。
どのように使っていきたいですか?
羽場様:Arloで新しく始まった「Arlo smart」という有料サービスを試用し、動物を検知した時だけ、映像に残すテストをやってみたいです。
また単に害獣を見つけるのではなく、防御するための仕掛けと組み合わせたいと思っています。「Arlo Smart」では、人物検知、乗り物検知、動物検知ができるようですので、動物を検知したらIFTTTと連携してサイレン等の音声で威嚇するといった実験をやってみたいです。
四六時中ずっと農地を監視するわけにはいきませんので、映像を認識したら何らかのシステムを発動させることができると、対策として効果があると思います。電柵をしなくても、効果的に害獣の侵入を防ぐことができるといいですね。
導入製品
導入製品
Arlo Pro 2スマートセキュリティーシステム カメラ2台セット(VMS4230P)
さまざまな使い方ができる高性能の1080p HDセキュリティーカメラです。自宅/店/駐車場の防犯からペット、赤ちゃんや子供、遠く離れた家族の見守りまで様々な用途でご利用いただけます。
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