PLP (Power Loss Protection)は、電断時にデータの整合性を保つためにトランセンドが採用している技術の1つです。

PLPとは

PLPは、DRAMキャッシュ搭載SSDに適用できるトランセンドの電断対策技術で、電断が発生した場合にデータの不整合を低減します。コンデンサを追加搭載させることにより、電源電圧を緩やかに降下させ、電断時にDRAMキャッシュからNANDフラッシュへのデータ書込みを完了できるようにしています。追加コンデンサは通常動作時に供給される電力をバッテリーのように貯めておき、電断発生時にSSDに電力を供給して書込みを完了させます。

PLPの仕組み

SSDには、ホストからの電圧レベルを常に監視している電圧検出器があります。SSD452Pの場合、電断が発生して電圧が5Vから4Vに低下するとPLPが作動します。この段階でPLPはNANDに保存されたデータが破損していないことを確認し、DRAMキャッシュからNANDフラッシュにデータを書き込むための電力をコンデンサから供給します。電圧が2.3Vを下回ると、NANDフラッシュは書込み防止モードになり、データを書き込むことができなくなります。

PLPが作動するイラスト

PLP非搭載品との違い

PLP搭載製品は電断発生から書込み防止モードとなるまでの時間を長くすることで、DRAMキャッシュに貯められていたデータを可能な限りNANDフラッシュに書き込みます。

PLP有りと無しのときの比較図

PLP非搭載のSSDの場合、2msで2.3Vに低下してしまうのに対し、PLP搭載のSSDは75msの猶予があるので、より多くのデータをNANDフラッシュへ書き込むことができます。

高い信頼性を確保するために、トランセンドのPLP技術はSSDテスターを使用して電断対策メカニズムを以下の方法により確認しています。

  1. ホストからSSDコントローラに書込みコマンドを発行する。
  2. SSDコントローラはDRAMキャッシュにデータを貯める。
  3. テスターがホストの電源をオフにし、電圧検出器が4Vを検出後にDRAMキャッシュに貯められているデータをNANDフラッシュに書き込む。
  4. テスターがホストの電源をオンにし、ホストとNANDフラッシュのデータを比較する。データの不一致が検出されると、“miscompare”が表示される。

トランセンドのPLPはこの試験を3,000回実施しましたが、データの不一致は検出されませんでした。

トランセンドのPLP & PS

トランセンドはPLPが正しく作動するよう高品質の電圧検出器を使用しています。また、厳しい環境下でも安定動作できるようタンタルコンデンサを採用しています。PSは追加コンデンサを必要としませんが、SSD内部の電圧検出回路により、ホストから供給される電力を監視します。電断が発生して電圧が低下すると、SSDの電圧検出回路がPSを作動させます。これにより、SSDコントローラはNANDフラッシュへのデータ書込みを停止し、NANDフラッシュに保存されたデータが破損しないようにします。但し、PLPとは異なり、多くのデータを書き込むための時間延長はありません。

PLP PS
ハードウェア 電圧検出器とポリマータンタルコンデンサを利用し、4Vから2.3Vに降下するまでの間にDRAMキャッシュに貯まったデータをNANDフラッシュに書き込む。 外部電圧が特定のレベルまで低下すると、コントローラ内部の電圧検出回路がPSを作動させ、SSDコントローラがNANDフラッシュへの新たな書込みコマンドの受け付けを停止する。
ファームウェア PLPが作動すると、ファームウェアは自動でDRAMキャッシュのデータをNANDフラッシュへ書き込む。 SSDコントローラはホストからの新たな書込みコマンドの受け付けを停止し、NANDフラッシュに保存されているデータの整合性を確保する。
ソフトウェア トランセンドのScope Proソフトウェアで、SSDに使用されているタンタルコンデンサの容量を確認できる。 -

まとめ

PLPは、トランセンドのSSDがデータアクセス中に電断が発生した場合のデバイス障害のリスクを最小限に抑え、データの整合性を確保します。Power Shield(PS)の詳細についてはこちらを参照ください。

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