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東映株式会社 デジタルセンター ツークン研究所様

関連メーカー:QNAP 正規代理店

ツークン研究所は、東映グループの映像ポストプロダクション事業を集約している東映デジタルセンター内の一組織。CG、VFX、ポストプロダクションだけでなく、プリプロダクション、プロダクションパートでも活動しているチームです。ツークン研究所の美濃一彦氏と 冨田有香さんに、QNAP製品導入の経緯とその評価についてお聞きしました。

美濃一彦氏:VFX& キャラクターアニメーションスーパーバイザー
冨田有香さん:モーションキャプチャースペシャリスト

ツークン研究所ロゴ

もくじ

  • モーションキャプチャー、VFX、PRE-VIZ、R&Dに取り組む
  • 4K解像度の映像データ量に耐え得るNASが必要
  • 容量と常時バックアップを取れることが重要
  • 実測で倍以上の転送速度を評価
  • 技術者がいなくとも運用できるQNAP

モーションキャプチャー、VFX、PRE-VIZ、R&Dに取り組む

ツークン研究所について教えてください。

2010年6月、東映東京撮影所内に東映グループの映像ポストプロダクション事業を集約するデジタルセンターが開設されました。デジタルポストプロダクションサービスを1カ所に集約し、効率的なワークフローを構築しようと言う意図で作られたのです。

ツークン研究所はその中にある一組織です。同じ撮影所内にあることからプリプロダクション、プロダクション部分とポストプロダクションとが密接な連携が取れるようハブ的な役割を担う部署としてスタートしました。 メンバーは総勢8名で、プロデューサーと技術職から構成されています。制作部隊も所属していますが、コーディネート業務、プロデュース、スーパーバイジング的な役割を主に担当しています。

取り扱う業務内容としては、モーションキャプチャー、VFX(ビジュアル・エフェクト)、PRE-VIZ(プレビジュアライゼーション)、そしてR&D(研究開発)業務となります。

東映ビジュアルセンター
東映デジタルセンター

 

こちらが関っている具体的な映像にはどの様なものがありますか。

モーションキャプチャーでは、ゲームのスポーツシーンや アクションシーンの アニメーションデータの撮影、東映アニメーションの「プリキュア」のエンディングのダンスシーンの撮影も行っています。

VFXでは「非公認戦隊アキバレンジャー」、「これでいいのだ!!」、「探偵はBARにいる」、「リベリオンズ」等映画、テレビ作品を中心に手がけています。

PRE-VIZですが、これはプロダクションに入る前に演出的、技術的な部分を検証する取り組みです。例えば映画「はやぶさ 遥かなる帰還」では、研究所が開発したバーチャルカメラを使って、宇宙空間でのカメラの動きをカメラマンの方に確認してもらいました。

R&Dでは、今お話したバーチャルカメラの開発、役者さんの顔の動きをCGキャラクターにアサインする「フェイシャルキャプチャー」と言う技術の開発にも取り組んでいます。

©東映AC・東映
©東映AG・東映

©東映AC・東映
©東映AG・東映

4K解像度の映像データ量に耐え得るNASが必要

QNAP製品を導入された経緯について教えてください。

美濃一彦氏
美濃一彦氏
デジタルセンター ツークン研究所
VFX& キャラクターアニメーションスーパーバイザー

まず、QNAP製品導入前は、量販店で販売されているNASを購入して、ネットワークに接続し使用していました。当初、ツークン研究所はコーディネートなどの役割を想定していましたから、どちらかと言えば、事務仕事のアクセスが中心でしたので特に問題はありませんでした。

そして2011年春、私たちが企画から制作までを担当する「リベリオンズ」と言うショートムービーのプロジェクトが動き始めたんです。その時、撮影データを4K解像度のデジタルカメラで撮影し、ハンドリングしていこうという計画を立てました。

4K解像度の映像はかなりの大容量データになります。この大容量データがどれだけネットワークに負荷を与えるのかを想像したときに心配になり、使用しているNASで対応できるのかをテストしてみました。

結果、コンピュータの処理と言うよりもデータの転送速度が非力だということがわかったのです。これでは運用に堪えられないと言うことで、リプレイスを計画しました。

大容量のデータとはどれくらいのものなのですか。

映像の1秒は24枚分のイメージの集合になります。2K解像度の映像で1枚が8MB~9MB、それが4K解像度になると1枚が約35MB位になります。仮に10秒とすると単純計算で8400MB以上です。また、1つのカットでも、手前のレイヤーと奥のレイヤーを分けて撮影することもあります。そうなると2レイヤー、つまりデータ量は2倍になりますので、容量の大きさがおわかりいただけると思います。

QNAP TS-809Proを2台導入写真
レプリケーションによる常時バックアップのためにQNAP TS-809Proを2台導入

容量と常時バックアップを取れることが重要

QNAP製品を選ばれたのはなぜですか。

冨田有香さん
冨田有香さん
デジタルセンター ツークン研究所
モーションキャプチャースペシャリスト

デジタルセンターとしては、大型のサーバーシステムを運用していますが、できれば今までのように研究所の中で完結させたいという希望もあり、日々、大容量のデータを扱いながらもメンテナンスに時間を割かないですむ製品を想定していました。

同様のデータを扱っているCGプロダクションやポストプロダクション会社の知人に、実際にどういうサーバーを立てて運用しているのかを聞きました。そんな中で信頼できる方から紹介されたのがQNAP製品です。紹介されてから調べてみると、確かにいろいろなCGプロダクション などが使用していることを知りました。

QNAP製品の導入は、信頼できる方からの紹介、そして業界で幅広く使用されている実績を踏まえた上で決めました。

実際の機種選定では、社内にあまりシステムに詳しいメンバーもいませんでしたので、テックウインドさんに想定する使い方を相談し、アドバイスをもらいTS-809Proを選択、2台導入しました。

TS-809Proを選択された理由を教えてください。

選択に際しては、容量と常時バックアップが取れることが重要でした。また、ラック型かタワー型か、という選択肢もありました。デジタルセンター内のサーバールームに設置すると言う選択肢もありましたが、何かトラブルが生じた際にサーバールームは気軽に立ちいることはできません。ですから、研究所内に設置できるタワー型を選択しました。

バックアップに関しては、他社のデータを扱うこともありますし、データを溜めておいて、他社や関連する部署とやりとりをすることが多いと想定されましたから、レプリケーションで常時バックアップが取れることが重要でした。

実測で倍以上の転送速度を評価

導入された時の感想をお聞かせください。

導入後にテストを行ったところ、実測で倍以上の転送速度でした。早さが体感でき、今までとはまったく違いましたので大変満足したことを覚えています。制作においてストレスなく作業が出来ることも重要ですからね。

その後も特にトラブルと言えるようなものは発生しておらず、大容量のデータを扱いながらも、レプリケーションできていることで安心して快適に使用しています。

現在はどの様な使い方をされていますか。

導入時点では制作活動をメインとしていませんでした。例えばポストプロダクションから撮影連番データを受け取り、そのデータをQNAPに保存して、社内でチェックする。そして必要に応じて別の協力会社などにデータを渡す、と言った使い方を想定していました。実際には、そうした使い方に加えVFXでよく合成に使用する煙素材、火花素材を、QNAPの中に素材集として溜めておいて使っています。

現在、制作に取り組んでいる「非公認戦隊アキバレンジャー」では、社内にアキバレンジャーCGルームを立ち上げ、常時4~5名のデザイナーがQNAPにアクセスしながらカット制作を行っています。

これは導入時に想定した使い方とは異なっていますね。QNAPに多人数のデザイナーが常時アクセスする使い方は想定していませんでしたので、時にはレンダリングサーバーとのやり取りで、少し負荷がかかっていると感じるときもあります。

ただ、RAID設定が安全性を重視したもので使用していますから、転送速度重視の設定に変えることも検討しています。夏前にはアキバレンジャーの制作が終了するので、そのタイミングでシステム構成を変更してみようと考えています。

ツークン研究所内写真
ツークン研究所内

技術者がいなくとも運用できるQNAP

QNAP製品及びテックウインドにご要望などがありましたらお教えください。

設置の際は、技術の方に担当してもらい、アクセス方法までの詳しい説明をしていただき、大変に助かったことを覚えています。特にトラブルが起こることなく、稼働していますので満足しています。

専用のサーバーを設置する規模になれば別ですが、技術に詳しいメンバーや技術者がいなくても運用して行くことができるQNAPは、いい選択だったと考えています。私たちが薦められたように、聞かれることがあったなら、ぜひQNAP製品をお薦めしたいと考えています。

本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

取材日時/2012年5月

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