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CMOSクリアとは?

以下の操作を行った後、マザーボードが起動してこなくなることがあります。

  • BIOSのUpdate後
  • BIOSの設定・変更後
  • ハードウェア的な構成を変えた後

※上記の理由の他、様々なケースが考えられますが、そういった起動しない問題が発生した場合、CMOSクリアの操作を行って頂くことで現象が改善される場合があります。

CMOSクリアの概要

CMOSクリアはマザーボード上のCMOSに保存されているCMOS情報を消す操作です。

CMOS情報にはBIOSの各種設定・現在の時間等が含まれます。CMOSは電源ユニットからの電気とマザーボード上の電池、コンデンサに蓄えられた電気でその情報を保持しています。

マザーボード上にはCMOS情報をクリアするCMOSクリア端子(ジャンパもしくはランド)が存在しますので、この端子をショートすることでCMOS情報を保持している電気をすべて逃がし、保持している情報を消す=クリアすることができます。これがCMOSクリアの操作です。

  • ジャンパとはマザーボード上にあるピンヘッド(金属の細い棒)の集合のことです。
    (CMOSクリアで使用するジャンパは2~3本で構成されている単純なものです)

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  • ランドとはマザーボード上の通電可能な半田が盛られた場所です。
    (CMOSクリアで使用するランドは二つセットになっています。)

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  • ASUS製マザーボードには、CMOSクリアを簡単に行うために基板上やバックパネルにCMOSクリアボタン(CLR_CMOS)を実装している製品があります。この場合、PCをシャットダウンした状態でCMOSクリアボタンを10秒ほど長押しするとCMOSクリアの効果が得られます。

マザーボードは大変デリケートになパーツです。特に以下の点を注意し、慎重に作業して下さい。

  • 静電気にご注意下さい
    CMOSクリアの操作をするにあたってはマザーボード上の部品に接触する作業があります。作業前にはアースの取ってあるものかPCケース自体に触れる等を行い、静電気を体から逃がしてください。また、静電気の発生しやすい衣服で作業することは避けて下さい。
  • マザーボードを傷つけないでください
    作業にはマイナスドライバーをはじめ、工具が必要な場合がございます。 マザーボード上には大小様々な部品が有るので工具と部品あるいはマザーボード上の配線に傷をつけてしまうことも考えられます。 なるべくなら一旦ケースから外して作業しやすい場所でCMOSクリアを行うことをお勧めします。

CMOSクリアの手順

1.CMOSクリア端子を見つける

まずはCMOSクリアを行うためのジャンパやランドを見つける必要があります。このジャンパやランドにはマザーボードにより若干異なる名前が付けられていますが、大抵は以下の名前が付けられています。

〔CLRTC〕 〔CLRTC1〕 〔CLR_CMOS〕 〔CLR_RTC〕 〔CLRCMOS1〕

  • マニュアルには必要な端子類の名前と場所が全て載っていますので、まずマニュアルで大体の位置を確認することをお勧めします。
  • マニュアルの前半に"MotherBoardLayout"、日本語マニュアルなら"マザーボードレイアウト"というマザーボードの端子類が載った図があります。この図で上記した名前のジャンパ・ランドを探して下さい。
  • Penitum3 系以前のマザーボードの一部には、マニュアルのマザーボードレイアウト図にはCLRTCの記載があるのに、マザーボード上の位置を実際に確認すると CLRTCが存在しないボードもあります。この場合は、CLRTCと同じ場所に"R???"(???は181や180,179等)というシルク印刷のされた他に比べてサイズの大きいランドが存在しています。これがCLRTCランドになります。

2.場所が確認できたら以下の手順で端子をショートしてください。

(a)電源ユニットの電源を抜く
→ 電源ユニット自体に電源スイッチが有る場合はそれを切って頂いても結構です

(b)電源ユニットからマザーボードへの電源を供給しているケーブルを全て抜く
→ ATX(8pin)、ATX(20pin)、ATX(24pin)、ATX12V、EZ-Plug、AUX等、全て抜いて下さい

ATX 8pin ATX 20pin ATX 24pin ATX12V EZ-Plug AUX
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(c)マザーボード上の丸いボタン電池を抜く

ノッチを引くことで抜くことが出来るようになります。 ノッチを引くことで抜くことが出来るようになります。
イメージ イメージ イメージ ボタンケースの両サイドに隙間がありますので、指で強めに押してください。
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(d)ジャンパ or ランドを5~6秒ショートさせる

A:『ランド』の場合

ランドの場合のショート手順としては、まずマイナスドライバーのような先のまっすぐな導電性の有るものでランド上の半田の盛り上がりをショートさせて下さい。角度を付けてしまうと片方にしか接触せず、失敗してしまうことがあります。また、マザーボードを傷つけないように注意して行う必要があります。

B:『ジャンパ』の場合

ジャンパは2ピンの場合と3ピンの場合があります。

  • 2ピンの場合→ジャンパを挿すだけ
  • 3ピンの場合→ショートする場所を変えてあげることでショート状態になります。
2ピン 3ピン
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(e)ショートした状態を元にもどす

ジャンパを抜く、あるいは元の状態に戻して下さい。

  • CMOSクリア状態のままで電源を入れると、応答がないあるいは起動しない状態になり、場合によっては発煙、発火、破損の可能性もあります。
  • ジャンパポスト三本のタイプのマザーボードではどちらの状態がCMOSクリア状態なのかわからなくなり、CMOSクリア状態で電源を入れてしまうことがあります。マニュアルを再度確認することをお勧めします。

(f)電池・電源ケーブルを元に戻す

  • ボタン電池は+,-を間違わないようはめて下さい(通常は上側が+になります)。逆にしてしまうと故障につながりますので注意して下さい

(g)起動の確認 ― 電源を投入し、起動するか確認してください。

3.起動してからの確認と設定

CMOSクリア後、ジャンパーモードでの動作になっていない限りBIOS設定画面が立ち上がってきます。CMOS時間がクリアされていることを確認してください。マザーボードの持っている初期時間(1999/01/01や2000/01/01等)に戻っているはずです。

  • 時間がクリアされていない場合はCMOSクリアに失敗しています。手順を再度確認し、2の手順を再度行って下さい。 (時間がクリアされていることを確認後、 "exit"から”Load setup Defaults”を実行してください。その後時間及びCPUの動作周波数・BOOTの順番などの設定を再度行って下さい)

4.上記の手順が行えない場合

以下のような条件の場合、

  • ケースに組み込んであり、CMOSクリア端子へアクセス出来ない
  • CMOSクリア端子の場所がわからない
  • 何度行っても時間情報が初期化されず、クリアされていない

これらの際は、2 (c)の電池を抜くところまでおこなって頂き、あとはそのまま30分~1時間程度放置してください。時間を置くとマザーボード上に蓄えられた電気が消費されますので、ジャンパ・ランドをショートさせたときと同じ効果が得られます。

CMOSクリアを行っても起動してこない場合

BIOSの設定以外の問題が考えられます。BIOSのUpdate後の場合はBIOSの書き込みの失敗によるBIOSの破損が考えられます。またBIOSの問題ではなく、ハードウェアのトラブルの可能性も考えられます。

ハードウェアのトラブルの可能性をチェックするには?

起動する最小の構成(メモリを動作する最小の枚数にする、PCIカードを全て外す、IDE機器も全て抜く等)にして動作が改善されるか確認してみて下さい。改善が見られない場合、ハードウェアのトラブルの可能性が出てきます。このような症状に陥ってしまった場合は、弊社サポートダイアル(03-5812-6131)にご相談いただくか、御購入頂いた販売店様に症状をお伝え頂いた上で検証のご相談をして下さい。

CMOSクリアを行っても起動してこない場合

BIOSの設定以外の問題が考えられます。BIOSのUpdate後の場合はBIOSの書き込みの失敗によるBIOSの破損が考えられます。またBIOSの問題ではなく、ハードウェアのトラブルの可能性も考えられます。

何故CMOSクリアで動くようになるのか?

CMOS がクリアされると、BIOSが起動した際、必要なCMOS情報を生成しなおします。これにより正しいCMOS情報が構築され、起動出来るようになります。 BIOSが必要とするCMOS情報はBIOSのリビジョンによって異なります。BIOSをアップデートすると起動してこなくなる場合があるのはそのためです。 また、オーバークロック設定等、BIOSの設定が原因で起動しなくなった場合も、やはりCMOSクリアで設定がBIOSに合わせた初期設定に戻り、もっとも安全な設定で立ち上がってくるため動作するようになります。