【対談】オーディオライター佐々木氏 × WestoneAudio Hank Netherton氏

2015年04月公開

【対談】オーディオライター佐々木氏 × Westone社 Hank Netherton氏

~人間の耳と関わる仕事を続けて55年~補聴器業界の経験から、音楽用イヤモニの制作へ~

佐々木氏 WestoneのES60は他のイヤホンやカスタムイヤホンに比べて音がとてもいいですね。私は他社のカスタムイヤホンをたくさん持っていますが、多分今のところES60はほぼトップクラスと言っていいと思います。とてもいいです。素晴らしい音質の理由であるテクノロジ-またテクニックについて伺いたいのですが。Westoneにはこの業界でのとても長い歴史があります。豊富な知識がこの高音質を作っているのでしょう。

Hank Netherton氏 はい、当社では人間の耳と関わる仕事を50年以上続けてきました。今年で55年になります。耳に関わる仕事に関しては当社よりも経験の長い会社は他にはありません。さらに、当社はバランスドアーマチュアの技術を補聴器の業界からミュージシャンのモニターに転用した最初の会社です。この補聴器業界の経験から、音楽用のイヤモ二の制作を始めました。

佐々木氏 御社の最初のイヤモ二についてお話を聞かせていただけますか。最初は補聴器から始められたのですか。始めはイヤモ二ではなかったのが、イヤモ二の制作に戦略変更をしたのですね。

Hank Netherton氏 はい、実はラボで働いていた従業員に2人のミュージシャンがいました。その時に、補聴器の技術を使ってステージで使うイヤモ二を作ることができるのではないかと考えたのです。彼らは仕事が終わった後や夜にいろいろ実験を繰り返し、当時手に入るドライバの数はとても限られていて、2、3種類しかありませんでしたが、あるものを利用して、彼らの音楽の経験と知識を動員し、最初の製品ができあがりました。ほぼ同時に、Rush、Deaf Leopardのような有名なバンドからステージで使うものを探しているとの問い合わせを受けました。それが1980年代の後半の話です。

佐々木氏 1980年代後半ですか。御社の最初のイヤモ二の製品名は何ですか?ES1ですか。

Hank Netherton氏 当時どのように呼んでいたかははっきりわかりません。基本的にはシングルドライバのカスタムイヤーピースです。最初の製品はハードワイヤーで、ケーブルを動かすことができなかったと思います。現在のES10とは大きく異なります。ドライバは改良されて、質が良くなりました。当時は材料にあまり選択の余地がありませんでしたが、その時に手に入るもので可能な限り高音質なものを作りました。シェルは全てアクリル製で、補聴器と同じく肌色でした。現在ではファッションを主張するものとしても使われていますが、当時のイヤモ二は特別なことは何もなく、色も普通で、実用的な道具でした。

佐々木氏 御社の補聴器メーカーとしての経験がイヤモ二の制作に役立ったのですね。競合社に対して、御社の主な強みはなんですか。

Hank Netherton氏 カスタムイヤモ二に関しては、当社には55年の経験があります。ほかにこれほどの経験がある会社はないですね。

佐々木氏 そうですね、とても長いですね。

~秘密ではなく経験~巧みな職人技術と長年の経験で生み出される高音質

Hank Netherton氏 その間にWestoneを訪れた何百人、何千人もの顧客の耳に合うイヤモ二を作ってきました。その経験と知識を利用して、よりよいイヤモ二を作ることができます。経験と訓練だけでも違います。そのため、耳により良くフィットするし、付け心地もいいし、外れることも他社製品に比べて少ないです。ユニバーサルの面では、多くの耳につけてきたため、サウンドボードの角度のような小さなことも、フィット感や外れにくいかどうかに影響を与えます。前後わずか2度程度の角度の違いが重大な違いを生み出すのです。

佐々木氏 私はW60にとても驚きました。W60はとても軽くて小さく、シングルボアなのにとても音質が良く驚きです。私はトリプルボアを信奉しているので、小さなシングルボアのイヤホンなのにこの高音質は信じられません。秘密は何ですか。

Hank Netherton氏 秘密は教えられませんが、どのように音を形成するか、どのように音を作るかは、どの製品を作るかによって違います。ですので、カスタムのESシリーズの場合はより大きく、デュアルサウンドボアです。より小さいスペースで、アコースティックが弾むスペースがあまりないW60とは違います。当社のサウンドデザイナーで、25年前に最初の製品を制作したスタッフの1人であるカール・カートライトは豊富な経験があり、アコースティックやサウンドボアの数にかかわらず最も高音質を達成するために、クロスオーバーやフィルターなどさまざまなことを試みました。

佐々木氏 それでは秘密ではなく、経験なのですね。

Hank Netherton氏 そうですね、秘密のレシピはありませんが、カールが秘密ですね。秘密ではありませんが、彼の耳と経験のおかげで様々なタイプの暖かみのあるWestoneの音を作ることができています。

佐々木氏 私はWestoneの暖かみとミュージカルな音が好きです。私にとってはアナリスティックやドライでなく、特にW60はミュージカルに聞こえます。

Hank Netherton氏 特にWシリーズは聴いている人がアーティストとプロデューサーがスタジオで作ったもの、つまりマスター音源(録音されたCDや音楽など)を聴くのに最適なサウンドになっています。私たちはそれに味付けをしたり、1つの周波数を強調したりせずに、初めに録音してあるとおりの自然で暖かい音を聴いてほしいです。

佐々木氏 暖かみのあるミュージックの音質は偶然作られたのですか、それともW60は音楽用のイヤホンとして作ったのですか。

~マスタミュージック向けのWシリーズ~長時間着用でも疲れない暖かみのある音質

Hank Netherton氏 マスターミュージック向けです。ステージ上の使用のためではありません。ですから音源がそのままほぼトランスペアレントに聴けるように、なるべく自然に、クリアに聞こえるように、また1つの周波数を強調したりせずに、なるべく音源のとおり聞いてほしいのです。

佐々木氏 多くのメーカーがドライでアナリスティックな音質のイヤホンを作りますが、それらを自然な音質だと言っていま す。面白いことに主張は同じですが、メーカーによって特徴に違いがあります。

Hank Netherton氏 そうですね。暖かみも長時間の付け心地の良さに関係します。音質がいいイヤホンでも、1時間ほどつけているととても疲れることがあります。当社のイヤホンはそうではありません。仕事中や列車で移動する間など、1日中つけていても疲れたり、耳鳴りがしたりしません。まさに、暖かい音というのは、おっしゃっていただいたとおりですね、暖かさとニュートラルです。

佐々木氏 私の考えでは、Westoneのいいところは、小ささと音楽性の両立ですね。

Hank Netherton氏 そうですね、それもまた何十年にもわたる経験とテクノロジーの研究を重ねてきたからです。

佐々木氏 大きなイヤホンの音質がよければ理解できますが、Westoneの製品は違います。私にとってはWestoneのイヤホンはとても小さくて、付け心地がいいです。そして長時間つけてもつかれませんが、音もとてもいいです。ほかの大きなイヤホンに比べても、こちらの方がいいです。まるで魔法のようですね。

Hank Netherton氏 それが私たちの目標であり、そのために努力を続けてきました。Westoneの音の特徴は、自然で、ニュートラルで、バランスがとれていて、疲れないことです。そして、どうすれば付け心地が良く、はずれたりはみ出したりしないかなど小さなことですが、この知識は当社だけが持つ50年の経験から学んだものでです。

ミュージシャン向けのUM Proシリーズ・カスタムESシリーズ

佐々木氏 ES60などのカスタムイヤホンについてですが、御社ではユニバーサルイヤホンとカスタムイヤホンに戦略の違いはありますか。


佐々木氏のES60

Hank Netherton氏 そうですね、どちらかというとイヤホンの用途ということになりますが、カスタムESシリーズとUMProシリーズは、ミュージシャンがステージで使うためのもので、Wシリーズはマスターミュージックや録音した音楽を聴くためのものです。そのため、エンドユーザーの違いを念頭に、それぞれの特徴も少し違います。UMPro50、ES50はシームコンポーネントで、それぞれにシームドライバがあります。しかしカスタムの方は、デュアルサウン ドポートはシェルが大きく、アコースティックな音になります。そこから出る音を少し調整しなければなりません。

佐々木氏 では、違いはユニバーサルとカスタムということではなく、その目的・コンセプトに応じてということですね。 Wシリーズはコンシューマーまたはプロデューサー、UMシリーズとESシリーズはステージに立つミュージシャン用なのですね。それがユニバーサルとカスタムの違いですね。

Hank Netherton氏 その通りです。当初はカスタムはステージ用の使用を意図していましたが、今は高音質オーディオファンなどの個人的に音楽を聴く人たちの利用が多く、ステージ用というよりは個人的な用途がほとんどです。当初はステージ用に作られましたが、個人的な使用にも最適です。

佐々木氏 ステージ用についてもう少し詳しく説明していただけますか。というのは、ステージ上では低音 が聞こえにくかったりするので、ステージ用のイヤホンは例えばUE11のように低音を強調しなければならないと聞きました。

Hank Netherton氏 そうですね、そういう部分もあります。従来ミュージシャンがステージに立っているとき、スピーカーの実際音楽を感じることができます。振動を感じることができます。ですので、イヤモ二から音を聞くとき、ミュージシャンにはまったく違ったように聞こえます。音楽を感じることができるよう、低音が大きくなります。周波数が下がるので、そう聞こえます。低音が少し大きく、高音も大きくなります。

佐々木氏 高音もですか?

Hank Netherton氏 周波数が高いのではなく、ヘッドルームが大きいということです。

佐々木氏 もっと余裕があるという意味ですね。

Hank Netherton氏 はい、ですから、UMシリーズとカスタムはステージ用のため、Wシリーズよりも酷使されています。

アイソレーションを追求した ESシリーズ「フレックスカナル」

佐々木氏 ESシリーズに関してお聞かせください。私はESシリーズの「フレックスカナル」がとても気に入っているのですが、フレックスカナルについてお話を聞かせていただけますか。Westone独自のフレックスカナルは大きな強みですね。

Hank Netherton氏 他のメーカーにはありませんね。

佐々木氏 フレックスカナルについてなんでもいいので聞かせてください。


体温で柔らかくなるフレックスカナル

Hank Netherton氏 はい、Westoneのフレックスカナルは体温により温まり、柔らかくなります。2つの理由があって、ステージ用では、ミュージシャンは踊ったりジャンプをしたり歌ったりするので、音を密閉するために、ミュージシャンの動きに合わせる柔軟性を持つ必要があります。もう1つは、柔らかくなるので、長時間のコンサート中に使い心地が悪くならないということです。

佐々木氏 フェイスプレートのデザインについては何かありますか。ウッドデザインやカーボンデザインなど多くのチョイスがありますが。

Hank Netherton氏 フェイスプレートデザインはファッション性のステイタスのようになってきています。顧客のみなさんはオーダーメイドをして自分だけの特別なデザインのものを持ちたいのです。そのためたくさんの種類から選んでいただけるようになっています。最初は補聴器のようなベージュが主でしたが、今では様々な色やフェイスプレートから選べるようになり、自分だけのものが作られます。当社ではいろいろな方法を試してみましたが、最新の方法はおそらくこれまでで最高のもので、特に何も変えることなくスムーズで、清潔で、フィット感が高いものができます。当社ではこのような点について研究している部門があり、お客様の要望に応えることができます。たとえば、オリジナルデザインのプリントですね。お母さんの写真がついたイヤホンが欲しいということであれば、それにお応えすることができます。多くのバンドがしていますが、バンドのロゴなどもイヤホンに載せることができます。

佐々木氏 私は、イヤホンにはアイソレーションがとても重要だと思います。ESシリーズのアイソレーションのシーリングはフレックスカナルのおかげで素晴らしいと思います。カスタムイヤホンの最大の特徴はアイソレーションだと思います。低い周波数を逃すことなく音質の向上が可能なので、ボーカルの音に集中することができます。

Hank Netherton氏 外耳道が最初のアイソレーションを行います。そしてシリコンチップ製のユニバーサルイヤホンは耳の中で密閉されている限り、高いアイソレーションが達成できるのです。オーダーメイドなのでフィット感がよく、耳の骨格がイヤホンを固定してくれるので、もちろんより質の高いアイソレーションが可能です。どちらにしてもアイソレーションは当社の製品の主要な特徴です。

佐々木氏 御社ではトリプルボアの計画はありますか。

Hank Netherton氏 可能性はあるかもしれません。

佐々木氏 ダブルボアとトリプルボアの違いはほとんどないとおっしゃっていますが、それはまた別の話かもしれませんね。

Hank Netherton氏 トリプルボアについても検討しみますが、当社にとって初めての試みです。内部の変更を行うことが必要かもしれません。もう1つの問題はフレックスカナルです。側面が柔らかい素材のため薄すぎると破れたりします。2つのサウンドボアはとても簡単ですが、3つとなると難しいかもしれませんが、試してみたいですね。

佐々木氏 ケーブルについてですが、御社ではMMCXを採用されていますが、それはどうしてですか。

Hank Netherton氏 従来の2Pinケーブルは、間違って使用されることが多かったのです。上下が逆だったり、正しい方向で 使用する(極性を合わせる)のが難しかったです。 大きな問題ではありませんが、オーディオファンがますます当社製品に慣れてきているため、違いに気づくでしょう。ですからMMCXは誰でも簡単に装着できるようにしてくれます。どんなふうに挿入しても、きちんと正しい方向(極性)で装着できるようになります。

佐々木氏 MMCXは人気がありますが、プロが使うにはあまり丈夫でないことはありませんか。

Hank Netherton氏 確かにそういう問題もあります。MMCXがこれから先もずっと解決策となるかどうかはわかりませんが、おっしゃるとおりMMCXは人気がありますし、現在では定番となっており、先ほど述べた極性の問題に関しても、その当時可能な最善かつ、最も簡単な方法だったのです。今後はよりよい方法があるかどうかを探り、そのような方法が見つかれば、耐久性や従来の製品が持つ欠点などを改善することができますし、当社は確実にそのような方向に向かっていると思います。

佐々木氏 それはWestoneのオリジナル規格ですか。

Hank Netherton氏 そうかもしれません。

佐々木氏 私はオプションの極細ケーブルも気に入っています。とてもいいケーブルですね。

Hank Netherton氏 それはWestoneのブランドです。

12~10ドライバにも負けない、Westoneの6ドライバ

佐々木氏 今後の製品についてですが、御社ではES60とW60に6ドライバを採用されています。市場には12ドライバや10ドライバが出回っていますが、これらについてどう思われますか。

Hank Netherton氏 デザインや使用方法によると思います。厳密に言うと、人間の耳は不完全なもので、すべてを聞くことはできません。ですから、ドライバ数を増やしても違いを聞き取れなければ意味がないのです。私達は当社の6ドライバの製品は優れていると思います。ドライバを増やすことに意義があると思われればそれを考慮しますが、現時点ではドライバを増やすことにかかるコストに比べ、利点はそれほど大きくないと思われます。価格と音質のバランスを考えなければなりません。

佐々木氏 けれども最終的には御社は新製品を製造されるでしょう。

Hank Netherton氏 そうですね。検討はしますが、音質が大幅に改善されなければ意味はないと思います。

佐々木氏 1つ考慮すべきなのは位相の問題です。私は位相の問題は音導管の長さの問題だと考えます。カスタムイヤホンの利点の1つはユーザ ーに合わせて音導菅の長さを調節できるので、位相の調整が簡単にできることです。カスタムイヤホンまたはユニバーサ ルの位相の調節についてご意見をお聞かせください。

Hank Netherton氏 はい、それはとてもいい質問ですね。私はテクニカルデザイナーではないので、カールならこの質問について1時間くらいは話せるでしょうが、私の専門分野ではありません。位相を正しくデザインすることやクロスオーバーな ども彼のデザインの一部ですが、その方法は企業秘密です。

佐々木氏 新技術についてのお話を伺いましょう。3D プリンターについてお聞かせください。イヤモ二に3Dプリンターを使用するのがトレンドになっていますが、それについてどう思われますか。

Hank Netherton氏 Westoneでは5~10年前から3Dプリンターを使っています。補聴器のイヤホンに使っておりますが、イヤモ二に使用するには2つ問題があります。まずフレックスカナルには使えませんが、それはとても重大なことなのです。Westone製品の特長でユーザーからはとても人気があるからです。もう1つは内部が少し壊れやすいので。これらの壁が少し壊れやすく、とても薄いことが多いので時間と共に耐久性が損なわれる可能性があります。3Dの素材は壊れやすいのですが、全ての部品を内部に入れてしまわなければなりません。壁が薄すぎると破れるかもしれないということです。

佐々木氏 ユニバーサルに関してはどうですか。御社では3Dプリンターをユニバーサルに使用しますか。

Hank Netherton氏 今のところは使用していません。というのは、ユニバーサルはプラスチック射出形成なので、3Dプリンターを使う必要はありませんね。

佐々木氏 しかし将来的には3Dプリンターを使いたいとお考えですか。

Hank Netherton氏 もちろんです。先にも申しましたように、当社では補聴器のイヤホンを長年製造してきました。そのような技術を使ってきた経験もあり、3Dプリンターを使用したイヤホンを作成する専門の研究所もあります。イヤモ二にその技術を今後使うことがあるかについてはわかりません。1つの理由は、3Dプリンターでは色の種類がないということで、今ある多くの利点を失うことです。とはいえ、新しい素材や色がどんどん出てきているので、今後は可能性があるかもしれません。

佐々木氏 クラウドファンディングを利用してイヤホンを作っているメーカーもありますが、クラウドファンディングについてはどう思われますか。

Hank Netherton氏 ほかの分野では役立つことが多いかもしれませんが、当社に影響があるかどうかはわかりません。私の個人的な意見ですが、人々が共同資金にお金を払おうとすることから私たちに伝わる情報は、それが新しいイヤホンであれ色であれ、彼らがお金を払ってまでそれを開発して欲しいと思っていることです。ですので、マーケティングフィードバックの道具としての意味が強くなると思います。多くのメーカーはそのような資金を必要としていないと思います。映画の製作などには役立つかもしれませんが、こういうタイプのことに関してはわかりませんね。

佐々木氏 私はクラウドファンディングの利点は、資金集めだけではなく、フィードバックも得られるということだと思います。人々のリクエストやコメントからよいフィードバックが得られます。

Hank Netherton氏 まったくその通りです。私も当社の目的としてはフィードバックを得ることがクラウドファンディングを利用する最大の理由だと思います。どのような製品、色、フェイスプレートであれ…

~探求し続けるWestone~ハイレゾリューションオーディオについて

佐々木氏 次に、ハイレゾの音質についてご意見をお聞かせください。日本では、おそらくアメリカでも同様かもしれませんが、ハイレゾリューションオーディオがトレンドになっています。ソニーなどのメーカーが作っているのをご存知でしょう。御社ではバランスドアーマチュアを採用されていますが、バランスドアーマチュアは高い周波数の再生には 不利だと思います。私が知る限りでは、バランスドアーマチュアは20kHz以上は難しいですが、ハイリゾリューションロゴの規格を満たすには40kHz以上を必要とします。そこで、ハイレゾリューション全般についてのあなたのご意見をお聞かせ願いますか。

Hank Netherton氏 最近はとてもトレンドになっていますね。私たちは常にWestoneの素晴らしい音質を誇りに思ってきました。何を聴くにしても、Westoneの製品で聴くとよりよい音質で聴けます。1000ドルもするデッキを買っても、安いイヤホンで聴いていれば意味がありません。15ドルのフラッシュドライブでも1000ドルのデッキでも、Westoneの製品で聴くと素晴らしい音質を楽しめます。ハイレゾリューションのトレンドによりそれが少し変わるかどうか、それは当社では注視しているし、カールも研究を進めています。バランスドアーマチュアドライバには限界があるかもしれませんが、それを改善して、ノイズとサウンドの比率を改善できるかもしれません。当社ではこれについて調査を進め、もう少しはっきりしたお答えができるようにしたいです。

佐々木氏 ハイレゾリューションサウンドでES60を使うとき、CDクオリティとの違いがはっきりと聞き取れます。そのため、20kHzを超えられないとしても、CDクオリティとハイリゾリューションオーディオとの違いがはっきり分かるので、それは高周波数の問題ではなく、アイソレーションの問題ではないかと思います。バランストアーマチュアの微小な動きがCDクオリティとハイレゾリューションの違いを生み出すのです。

Hank Netherton氏 それについてはよく聞きます。カスタムではハイレゾの規定に達しないかもしれませんが、あなたがおっしゃるとおり音の違いははっきりわかります。一方、ユニバーサルの場合は少し違います。先ほども申しあげたとおり、当社では研究を行っており、この技術を使用しないで規定をみたすことができるかどうか判明すると思います。

佐々木氏 私もそう思います。安価なハイレゾリューションのイヤホンがES60やW60よりも音質が良いわけがありません。特に大手メーカー主導のハイレゾリューション定義のトレンドは少し大げさです。

Hank Netherton氏 品質の幅がとても広いです。ですから安価なイヤホンとハイレゾはおそらく当社の製品ほど高品質ではないでしょう。また、コストの問題もあります。コストが当社の品質基準を満たしているか、音質がそれほどいいかなどについても調べてみます。

佐々木氏 日本におけるハイレゾ対応製品の定義についても疑問に思うところがあります。例えば周波数の上限は40kHz以上でなければなりませんが、そこでどれだけ特性が減少するかについては規定していません。そこで、私は40kHzにおいて-10 dBまでなどの明確なスペック が必要だと思います。そのようなはっきりした規定がなければ、私はこれは規格とは呼べないと思います。例えば40kHzで40dB以上も特性が落ちてもその製品をハイレゾ対応と認定することも可能なのです。

Hank Netherton氏 そう思います。

佐々木氏 アメリカでのオーディオ事情はどのようなものですか?

Hank Netherton氏 おもしろいことにアメリカではオーディオ人口はもっと少ないです。日本にいるときは春と秋に開催される「ヘッドホン祭」に行きますし、今週末は「ポータブルオーディオフェスティバル」にも行きますが、来場する人の数や、ポタアンを重ねて使ってる人の割合は日本の方が多いと思います。 というわけで、日本の方がアメリカよりも人気が高いです。もちろんハイエンドのオーディオが大好きな人もいますが、日本ほどではありません。人気は高まってきてはいますがまだそれほどではないです。文化や価格に関係があるのかもしれませんがわかりません。

佐々木氏 2014年はWestoneは多くの製品がありましたね。今後の新製品の予定はありますか?

Hank Netherton氏 ここ1年から1年半にかけて当社ではとても忙しかったです。ですので、全く新しい製品はしばらく時間がかかると思います。しかし新しいアクセサリーなどを発売するつもりです。どうぞ楽しみに待っていてください。

(対談日:2014年12月18日)

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