株式会社熊谷写真製版 様

関連メーカー:QNAP 正規代理店

熊谷写真製版についてお聞かせください

昭和46年にオフセット印刷の版を製造する刷版会社として設立しました。2002年には、ますます多様化していく印刷業界のニーズに対応すべく、デジタルから直接刷版を出力するCTP(Computer To Plate)設備を導入し、製版部門を立ち上げました。


大量の版をさばく瞬発力が強みです。

製版部門の業務はCTP出力のみならず、デザインの企画制作から、入稿されたDTPデータの加工やスキャニング、画像の色調補正など多岐にわたります。

近年印刷物の制作形式も多様化していますが、様々なデータ形式を、どのような業務形態に対しても、最善の対応が提供できるよう取り組んでいます。

取材日:2015年3月24日
URL:http://kumagai-s.co.jp/

導入の背景

なぜQNAP NAS が必要だったのですか?

※この記事でのQNAP表記は、「QNAP製NAS」または「TS-453 Pro」を指します。

今まで、各々のPCから、DVDや、外付けのHDDにバックアップしていましたが、年々増大するDTP、CTP出力データのバックアップに対応できるシステムが必要でした。また、Windows、Macの両OSに対応する必要性や、専用のシステム部門を必要としない使いやすいファイルサーバーが求められていました。

3つの理由について詳しくお聞かせください。

データが年々増加し、バックアップ容量が不足


製版部 井之上様

パソコンが高性能化していくにつれて、DTPのデータも複雑化しています。画像を多く使ったり、様々な効果をつけたりして、容量が年々大きくなっています。また、印刷データと言っても、お客様からお預かりする“入稿データ”のほかに、“製版済みデータ”“CTP出力前データ”など、印刷が完了するまでに制作されるデータのバックアップもしなければなりません。

例えば、オフセット印刷の場合は版が4色なら四つのアルミの版が必要となります。その作成した版を使って印刷する際には網点と呼ばれる網データ(小さな点の集まり)を制作し、色彩の濃淡を表現します。このようなデータも再出力の時にすぐに取り出せるようにバックアップしていますので、想像以上にデータは膨らんでいきます。

今までは、外づけのHDDに保存したり、一回一回DVDに焼いたりしていたのですが、それでは追いつかなくなりました。最近では数ギガバイトのデータも珍しくありません。10年前はギガバイトのデータはまずありませんでしたよね(笑)。

2005年頃に導入したネットワークHDDは、QNAPのように、HDDを増設することも、交換することもできません。当時は500ギガバイト程度の容量しかありませんでしたので、昨今のデータ量の増加を考えると早急に一元管理できるファイルサーバーを探していました。

一元管理の必要性


QNAP導入を推進した上島様

もうひとつの要因として、データ管理の必然性が高まってきました。以前は、ネットワーク環境も低速でしたので、ネットを通じてのデータ受け渡しよりもCDやDVDによるメディアでの受け渡しの方が多かったです。当然社内でもDVDでバックアップを取っていましたが、大・小合わせたら年間に1万件越えるデータが発生します。お客様から増刷やデータの改版依頼を頂くと、その中からデータを探すのです。

整理番号や、品名、客様ごとのコードで管理していますが、データベース検索した場合、候補が複数出てくることもあります。DVDですと、一枚一枚読み込みの作業を行い非常にストレスになります。ファイルサーバーに保存しておけば、アクセスしてすぐに確認が出来るというのは、非常に大きなメリットです。

Windows、Macの両OSに対応する必要性

あとは、MacとWindows両方からアクセスできる事が重要ですね。最近はWindowsのデータも多くなりました。昔のDTP業界は、ほとんどがMacだったのですが、一時期Windowsだけになるのではと思うくらいWindowsが伸びましたね。弊社では、Macが5台、Windowsが8台の計13台のパソコンがあります。それらすべてをネットワークで繋げたいと考えていました。

実務者が3人に対し、パソコンが13台もあるのは、CTP版出力用のPCや、カラープルーフィング用のPC、さらには、Illustratorのバージョンごとにパソコンを用意している為です。 Illustratorは上位互換で開けると言われていますが、視覚効果がずれる事もありますので、厳密な話はやっぱり崩れてしまいます。OS、ソフトごとに、お客様のニーズに合わせて幅広く環境を用意したいと考えていますので、パソコンは増え続けます。実際に10~15年前のロングラン商品のデータを増刷することもありますからね。これ以下のバージョンはもう終了しましたとか、大手ソフト会社みたいに言えたらいいのですけども(笑)。

ちなみに、昭和の時代から残ってるフィルムも弊社では対応できますよ。

QNAP NAS を選んだ決め手は何ですか?

ラインナップが豊富でジャストフィットした選択が可能

ファイルサーバーはメンテナンスが必要ですよね。我々の様な中小企業ですと、選任のシステム管理人がいませんので、自身で運用・管理をしなければなりません。運用・管理がしやすくて、一元管理ができて容量も大きいNASを1年ぐらい前から探していました。オーバースペックではコストが掛かりすぎますし、かといって安価な製品は拡張性や、信頼度に不安が残ります。

QNAPの評判は昔から耳にしており、興味を持っていました。もちろん、他の海外製NASや、国内メーカーのNASも検討しましたが、QNAPはラインナップが豊富でしたので、パフォーマンスの評判とコストを比較しながら、私どもにジャストフィットした商品を選定できました。

導入後の効果

QNAP NAS を導入してどんな効果がありましたか?

バックアップの簡単さと、堅牢さによる安心感


導入した TS-453PRO

まず、バックアップが簡単に行える様になりましたね。制作データや、預かったデータはとにかくQNAPに放り込めばいいので運用が簡単です。DVDに焼いていた時は、4ギガバイトぐらいデータが集まってから保存していたので、万一、その間に何かあったらどうしようという不安が常にありました。

また、企業様との取引の中では、データが弊社にしか無いケースもございます。万一データが消失した場合は非常に大きな損失となってしまいます。今までも、万一のデータ損失も無いように複数枚のDVDに保存していましたが、現在はRAID 5を採用することでその手間も省け、かつ安心感に繋がっています。近い将来にはもう一台のQNAPを子会社に設置して、リモートレプリケーションも考えています。

処理速度が速く、劇的に作業環境が改善

あとは単純に書き込みと、読み込みの処理速度が速いので、すべてにおいて作業スピード・効率が上がっています。製作現場ではスピードはすごく大事なのです。QNAPを導入することで、以前と比べて劇的に作業環境が改善されました。

例えば以前ですと、DVDへのバックアップ作業中には書き込みエラーや振動などでデータが壊れるのが怖いので、そのパソコンは使えず、業務も止まってしまいます。一時間掛かることもざらでした。また、大量のDVDからデータを探し出すのにも時間がかかったりしました。印刷は、デザイン会社、製版会社、印刷会社の分業で印刷業は成り立っていますので、途中で版がストップしてしまうと、ライン全体が止まってしまいます。そんな時に、印刷会社さんから突発で“急いで版をもう一度焼いてくれ!!”と依頼があった場合、バックアップ作業中なので“一時間待ってください”とはいえず、苦労した記憶があります。

印刷業界は9割が中小零細企業です。業界の古い流れがありますので、必要性は感じていながらもサーバーなどIT機器の導入に踏み切れない同業者さんも多くいらっしゃり、相談を受けたりもします。機会があればQNAPを紹介しますね(笑)

QNAP NAS の優れていると思った点は何ですか?

非常時の際にもすぐに対応が取れる安心感

かなり前ですが、国内メーカーのNASを利用したことがあるのですが、NAS専用のハードディスクを購入しなければなりませんでした。しかし、それがかなり高い金額設定がされており、運用のネックとなっていました。QNAPの場合ですと、メーカー確認済みのハードディスクが入手しやすいので、好きに容量アップできるのはもちろん、非常時の際にもすぐに対応が取れる安心感が嬉しいですね。

管理画面も直感的で利用しやすいので、普段パソコンを利用している人であれば、難なく扱える点もいいですね。

将来の展望

どのように使っていきたいですか?

先ほども話にでましたが、しばらくは今のまま運用していきますが、近い将来もう一台のQNAPを子会社に設置して、別の場所でもバックアップを取りたいですね。堅牢すぎるということはないですからね。

あとは大量にあるDVDですね。現在は倉庫に保管していますが、ディスクの寿命が来る前にQNAPにデータを移してしまおうと考えています。

今後QNAP NAS (またはテックウインド)に期待することはありますか?

QNAPは機能がたくさんありますけど、実際使い切れてないユーザーが多いように思います。 個人ユーザーさんがブログなどに利用方法などを公開してくれていますが、是非、メーカーや代理店からQTS(QNAP Turbo NAS オペレーティングシステム)の利用方法や、業務で実際の使用例、提案などを公開して頂けると嬉しいです。

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